発達障害の子供の将来が心配?


 発達障害をもつ子供をお持ちの皆さん、子供の将来が心配ですよね?
その気持ちはとてもよくわかります。私も自閉症スペクトラム症候群ようするにアスペルガー症候群です。そして、息子も同じくアスペルガー症候群です。

 私たちが、アスペルガーだと知ったのは、今から7年前で私は45歳で息子は小学2年生でした。
そんな息子も、今年は高校受験の中学3年生です。ここまで来るのには、普通ではあり得ないことも多々ありました。

 私たちも、最初はとても不安でした。とくに、私は自分の生きづらかった人生と比較し、妻は私のようになるのではないかと特に心配していました。

 でも、安心してください。発達障害を持ってていても、その子の特性を理解し、生きやすい生き方を共に考えていけば、親子関係の強さも、社会適応力も、下手すれば普通の子たちより、すぐれた才能をを開花していくことができます。

今日は、私たち家族の7年間を振り返って発達障害をもつお母さん、お父さんに希望が持てるのではないかと書いています。

発達障害の子の親もまた発達障害?

 「発達障害の子供の親も発達障害?」 というのは、間違ってもいないし、間違ってもいます。
発達障害って、生活に支障がない生き方ができれば、発達障害とは言われないのです。
きっと、私や息子も今、病院を受診しても発達障害とは診断されないと思います。こだわりの強さゆえに、いろいろまわりの人たちとの行動などに違いはあったとしても、個性が強いとか、こだわり症、変わった人程度の評価だと思います。

 それと同じように、気がつかない発達障害の人もいるのです。人それぞれ個性もあり、発達障害の特性は誰しもが持っているもので、その影響の頻度で区別されるものなのです。逆に言えば考えや価値観が違っていれば、みんな発達障害の人と思われるように、誰もが多かれ少なかれ同じような特性を持っているものです。

もし「自分のせいだ!」「旦那のせいだ!」「妻のせいだ!」なんて思っているのであれば、それは誰のせいでもありません。ちょっとこだわりの強い個性を持って生まれてきただけなのです。だって、問題もあるでしょうが、その個性の良い部分に惹かれお互い結婚したのだと思います。

 ただ、不器用で要領よく特性を使いこなせず、間違った行動を取り続けた結果が、大きな問題となっていることが多いからです。だったら、親も子供も一緒に自分達の特性について意識して振り返りながら共に生きていけばいいだけなのです。

 発達障害の特性のひとつ、強いこだわりと数多いこだわりは決して弱点ではありません。それは、他の人が持たない長所でもあるのです。人と違うことは決して悪いことでもないし、誰しもがそれぞれ考え方も価値観も違うものです。その考えや価値観を共有していくことが、周りの人ともうまく付き合っていけるコツになっていくのです。

発達障害を受け入れる!

 私も、今まで多くの発達障害をもつ親とメール交換などをしてきました。
そして、もっとも多いのが「発達障害だから・・・」「うちの子はグレー」とか発達障害を、わかりやすく分類し、基準を決めて物事を考える方が多かったと思います。

 私と息子は、同じ病院の先生に診ていただいていましたが、先生はいつも「あんたはそういう特性だから」と笑って接してくれていました。私たちも最初は発達障害という厄介な障害を持った自分を悪い人のように感じていましたが、先生はその個性が故に失敗することもあるということだけを教えてくれ、その失敗を避ける解決策を一緒に考えてくれていました。

 その結果、下にいる双子の娘たちも、お兄ちゃんを慕いとても仲の良い兄妹で私の一番の自慢でもあります。娘たちは学校にいる発達障害の子供たちのこともよく理解して接してあげているようで、とても人気がある娘たちに育ちました。

 息子も、自分が発達障害だということを、小さい時から自覚しています。だからと言って萎縮した生き方などはしていません。時にはイラついて学校から帰ってくることだってあります。
しかし、そんな時でも、自分の状態があまり良くないことを感じられるので、自分の部屋に閉じこもったり、友達と距離をおいたりと上手に振る舞うことができるようになりました。

 これらは、家族全員が発達障害という事実を理解し受け入れているから、その時その時で適切に行動がとれるようになったのです。決して発達障害だから人より劣っているわけではありません。コミュニケーション能力だって人よりは苦手だけれど成長していきます。

 向き合うのは、発達障害という病気ではありません。向き合うべきは、その子の特性を活かす方法を見つけていくことです。「こだわるな!」「怒るな!」「大きな声を出すな!」なんていくら教えてもそんなこと実感することなんてできません。ひとつひとつなぜストレスに感じたのか、どうしてそう思ったのか、それを一緒に話をすることが大事なのです。間違えてるとか、正しいとかは二の次です。どうして、怒ってしまったのか、感情がコントロールできなかったのか、その経験をきちんと理解できれば、怒りが込み上げる前に逃げ出したり、距離をとることができるようになるのです。

 「感情をコントロールしなさい!」なんて注意したとこころで何の意味もありません。それができない脳なのですから、私だってできはしません。
私だって怒りが込み上げるときもあります。でも、その前に笑って自分で逃げたり関わらない選択肢を選んだり、距離をとって気持ちを紛らわし、クールダウンをする術を学んでいくのです。

 もし、発達障害を受け入れていなければ、お互いに逃げることも、逃してあげることも、距離を取ることも、距離をとらせてあげることもできないのです。

 「あ〜今、自分で気がついて逃げたのね」と理解してあげれば、時間をかけてクールダウンした子供に「よく、我慢できたね」と抱きしめてあげれば、そのひとつの出来事が、今後の人生で起こる場面で役に立つのです。

そのためには、発達障害という事実を受け入れ、特性ひとつひとつを長い時間をかけ一緒に感じとり考えることが大事なのです。「なんであんたはそうなの! 普通はそんなことしないよ!」なんて理解も実感もできないことを、無理強いしたところで理解なんてできないのです。

発達障害を受け入れられない!

 私もみなさんと一緒で最初は息子の発達障害なんて受け入れることができませんでした。息子が幼稚園の時、さまざまな問題を起こすため、育児相談員の方から妻に「この子は発達障害では?」と指摘を受けたことがありました。その時、妻は私に相談しましたが「ばかじゃねぇの、俺の子供時の方がまだ酷かったわ、男はそれくらいでないと生きていけるか!」と軽く聞き流し、聞く耳も持ちませんでした。

 そして、小学2年生の時、旅行先で電子ブックの発達障害の本を何気なく読んで気がつきました。
「あっ俺のことだ!」と気がつきました。そこから私たちは、私も息子も発達障害であることを受け入れました。そして、めちゃめちゃ本を買って発達障害について調べたり、コミュニケーションについて調べまくりました。

 そして、クレヨンしんちゃんのお父さんこと『野原ひろし』のような父親になろうと考えたこともありました。

 もし、あの時に気がつかなかったら今頃はどうなっていたか・・・・
きっと、息子も私と同じように「悪ガキ」「乱暴な子」「感情の激しい子」「付き合いにくい子」ととても生きづらい生活をしつづけていたことでしょう。だって、それが私の普通だったのですから、言いたいことも言えないナヨナヨした男なんて男じゃないというのが私の考え方だったし、私自身の生き方だったのですから・・・・

 今でも、その考え方が完全に間違いだったとは思いせんが、コミュニケーション能力も低い私が、今まで周りの人を傷つけ踏み台にして生きてきたのは間違いありません。まわりの人たちが私との共同生活に苦痛を感じ続けてきたことは誰もが想像できます。

 ひとつ例に挙げると、アスペルガーの子は、興味があることには夢中になります。それが勉強だったら誰も文句は言わないでしょうが、興味を持ったことがゲームだったとします。当然、親としては、ゲームばかりと心配になってきます。もしそれをやめさせてしまうと、発達障害の子のストレスは、普通の子の比ではないのです。どこかの県では、ゲーム時間を規制する条例を検討していましたが世間一般的にはゲームは決められた時間に制限するのが常識かもしれません。しかし、そんなことをしたら、ゲームに夢中なアスペルガーはその苛立ちをどう発散すればいいのでしょう。そして、興味もない勉強をさせればストレスは更に状態は悪くなるだけなのです。だからって、その子が勉強嫌いと決めつけるかは別の話です。

 一緒にクイズ番組を見たり楽しんで見ていると、夢中になる子もたくさんいます。知らないことにストレスを感じ、クイズ番組のために勉強を始めたり、自分でいろいろなことを調べたりと自分で調べることに夢中になったりするのです。私の息子がわからないことを娘たちが知っていて、その悔しさを感じて勉強したりしていました。最初は悔しそうでしたが、今ではそういう時も笑って悔しがれるほどになりました。そして、もっと詳しく調べて娘たちに自慢したりしています。そういうことが自然に行えることが大切だと思います。自分の弱さを認めて表に出し、年下でも負けた時は潔く降参したり、悔しさをバネに勉強したり、そういう認めながら自分を高める感覚を身につけることができれば、アスぺガーの子ほど、誰にも負けない集中力や執着心で才能を発揮するのです。
もし、勉強が今ついていけなくても、アスペルガーの集中力と執着心をみくびってはいけません。
数年で、一気に追い越すのも不可能ではないくらいの能力をもっています。

 私の姪っ子も発達障害で、息子よりひどくあまり学校にも行けないし、勉強もできないです。
しかし、パンを作ったり、お菓子を作ったりするのが大好きで、いつもにこにこ作っています。
姪っ子のお菓子作りやパン作りへの思いは、そんじょそこらのパン作りやお菓子作りの好きな子との価値観やこだわりとは、雲泥の差だと思っています。勉強ができなくても姪っ子にはまだまだ広い人生の選択肢が用意されていると思っています。

 私は、その姪っ子の気持ちや成長をとても楽しくみているので、思いっきり贔屓の目で見ています。誰に何と言われようが、私は姪っ子には姪っ子だからできる人生がある思っていますし、全力で応援します。
姪っ子も早い段階で病院にかかり、まわりの子と比較することなく、姪っ子の生きやすい人生を選択して進んでいます。本当にかわいい姪っ子なんです。

 確かに世間一般的には、姪っ子の評価は低いかもしれません。でも、学校や私生活で評価されなくても、私たちは彼女のお菓子や料理に対する気持ちは、その辺の子たちとこだわりが違い、想像もつかない未来が開けると実感しています。

 でなければ、まだ幼い彼女の人生はつまらないものになってしまいます。今は、そのために苦手なコミュニケーション能力を高たり、好きな技術を身につける大事な時期だと思っています。
そして、姪っ子の両親をはじめ、周りの人たちが応援してくれていることが、彼女の人生を豊かなものにしているのだと思います。

反抗期

 私は、中学から反抗期が始まり、それはそれは荒れた生活をしていました。
そして、それを私はなんとも思ってもいませんでした。
しかし、大学生、社会人となって生きづらさをすごく感じていました。

 先日息子が、「俺、今反抗期だから」と言ったので吹き出してしまいました。
「はぁ? お前めちゃいい子やぞ」と言うと「俺、反抗期おわったんやろか?」と真顔で言うので、
「お前みたいな、マゾコンの反抗期があるか?」と言ってやりました。
ちなみに、息子は妻のことを「くそばばぁ」と呼びます。でもとても可愛い声で言うのです。
当然最初に聞いた時は、「お母さんに向かってなんだそれは!」と言うと、「俺の『くそババァ』は愛があるからいいんだ!」と言われ笑ってしまいました。
 息子にとっての反抗期とは、そんなものなのです。息子も私の姿などを見て、自分が人を傷つけやすい特性を持っていることを小さい時から知っているため、ちゃんと、自分の立場や生き方を考えて行動をとっているのです。

どう厳しく見ても、私の10%程度の反抗期でかわいいものです。
でも、息子さんを持っているお母さんにとっては、ちょっと羨ましかったりしませんか?

でも、自分では反抗期だと思っているんです。そして、妻もそんな息子が可愛くて仕方がないようです。私も、来年度から高校生という息子をかわいいなんて思うなんて夢にも思ってもいませんでした。

 それくらい、アスペルガーはまわりの常識なんて当てはまらないのです。

だからって親だって心が折れる

 いろいろ、「発達障害を受け入れろ!」なんて偉そうなことを言いながら、親だって人間です。我慢の限界もあります。それでいいんです。私たちは親戚中、発達障害ばっかりよくこんなに集まったと思うくらい発達障害家族ばっかりなのですが、よく一緒にキャンプなど行きます。
 子供たちには楽しんでほしいけれど、誰かが必ず荒れてしまうのです。それはそれは、感情のコントロールが苦手なアスペルガーの私にとっては苦痛でしかありません。でも、そんな時はひとり散歩に行ったりクールダウンしたり、みんなが寝た後、ひとり焚き火を見ながらお酒を飲んだりと気持ちを落ち着けるのに必死なんです。
 妻だって、臨床心理士にまでなったくらい勉強していますが、それでもキレることなんてよくあります。

 それでいんですよ。「さっきはごめんね」ときちんと、発達障害と向き合っているという実感と事実があれば、時に失敗したからって、それも含めて一緒に成長していくものだと思います。
完璧なんて目指していたら、それこそ病気になってしまいます。

 一緒に考えて向き合っていく時間が大切なのです。子供を誰かに任せてパートに出たっていいのです。時には喫茶店で読書したり、パソコンやスマホ持っていって自分の時間を作って全然いいのです。むしろそういう時間をもって、余裕をもって接することこそ大切です。

 むしろ「まっいいか〜」というゆとりを、共に身につけることは、アスペルガーの子供にとっては一番大切な環境だと思います。誰もが失敗もするし、その後の行動が大切なことを共に経験していくことが大切だと思います。

受験勉強

 そんな息子も、高校受験を控え只今猛勉強中です。
しかし、試験中でも大好きなゲームをしたりしていますが、私たちもそのことについては何も言いません。我が家は、家族全員、「やることさえやれば、あとは自由にしていい」というのがルールです。世間一般的には信じられない話かもしれません。でも、私だって同じで、やりたいことはいっぱいあるのです。でもそれを実現できないこともいっぱいあるのです。
普通の人なら、バランスよく行動できる人もいると思いますが、それができないのがアスペルガーなのです。ストレスを受けやすく、それを解消できない生き物なのです。興味を持ったり、思いついたら我慢ができないのです。それは、それを制御できる能力が低いので仕方ありません。
私だって、未だ翌日仕事でも気になったら徹夜で調べたり、試すことなんてよくあります。

 本題ですが、妻は受験勉強だけはできる人なので、息子に普通の進学塾と個別塾と2つ行かせています。妻は県内で偏差値が一番高い高校・大学を出ています。そして35歳で再度大学院に行くような人です。発達障害を知ってから大学院も合格し、資格も取得したくらい受験のプロです。
 でも、日常生活は驚くほど常識もなく呆れるほどですけれどね。
最近は、妻が家にいるとずっと受験の話ばかりで、聞いている私の方がうんざりして「食事中くらいその話やめろ」と私が怒るくらいです。
当然、息子もキレると思うでしょう?

 違うんです。息子は「うざい、もうわかった」と言って逃げ出したりしながら、上手に接しているのです。しかも、息子は妻が得意な英語を毎日、べったり妻がくっついて一緒に英語ばかり勉強しています。それはそれは話し方から、ドラマの塾の先生か?ってくらいうざい教え方で見ている私の方が気分悪くなります。勉強の仕方も「誰の受験だよ?」ってくらい妻の世界オンパレードの熱の入れようです。

 しかし、息子はお母さんが大好きで、「うざいうざい」言いながらにこにこ笑って勉強しています。
息子にとっては、お母さんがいつもかまってくれることが嬉しいようで、だから勉強するんです。
テストで良い点数を取るとお母さんが喜ぶから、一生懸命勉強するんです。

 小さい時から、問題児としてまわりから見られていたけれど、息子の特性を理解してくれるお母さんが大好きだから、今でも息子は自称反抗期でも、お母さんの期待に応えようとするんです。

でも、その後1:00くらいまでゲームして、朝もぎりぎりに起きて学校に行っているのですけれどね。

 ちなみに、余談ですが、息子はお母さんを美人だと自慢に思っているので友達の家に泊まった時に、「俺のお母さん可愛くて美人」と写真を見せて自慢したようで、それを後日、知った妻が「もう、それだけはやめて」と言っていました。

まあ、普通に考えると、馬鹿なマザコンな息子かもしれませんが、お母さんに対してブレない自信と信念を持っているのだと私は思っています。

 そこまで、親子としての信頼関係が築けているのはさすがだと思っています。
家では、大好きってことを隠すことなく接することができる親子っていいなぁと私も思っています。
 私なんて子供たちは、欲しいものをなんでも買ってくれる甘々のお父さんとしか思われていませんけれど、私はそれでいいのです。

マザコンのどこが悪い!

 私は、いつも息子に「このマザコンが、お母さん顔はかわいいけれどペチャパイだし、足短いし」と言ってからかいます。
 しかし、息子は「俺、おっぱいが大きいの気持ち悪い」と言ってペチャパイ好きをアピールしてきます。なぜか娘たちまで「ペチャパイがいい」と言っています。私は「女の子はおっぱいがある程度あった方が見た目もいいし、モテるんだぞ!」と言って嫌われています。ペチャパイマニアだけは育て方を間違えたのかもしれません。でも息子は自信をもって「マザコンのどこが悪い」と自信満々に言っています。

「お前、友達知ったらひくぞ? 絶対に彼女ができたらお母さんの話しない方がええぞ」と言うと「それくらいは、わかっている、友達にはバレんようにしとる」と言います。

これがアスペルガー

 笑い話のようですが、これも紛れもないアスペルガーなのです。
まわりの感覚や考え方に左右されない自分自身の価値観と強い信念とこだわりで生きているのです。
まあ、彼女ができバレたらドン引きされ彼女からは変人扱いされるでしょうが、きっと彼女ができると、今度は彼女に夢中になるのでしょうけれど・・・・

 だから、アスペルガーだからと心配しなくても大丈夫です。
まわりの子育てと同じ育て方では、アスペルガーの子供にとっては、何も言えなくなり、とても生きづらく、どんどん自分だけで解決しようと間違えた考え方が身についたりしてしまいます。

 先にも書いたように、親である私たちが、発達障害の子供の特性を受け入れてあげ、子供が考えていることを受け入れ、一緒に対策を考えていくことが大事なのです。
まわりの子と同じようにしようとするのは大間違いです。それができないから発達障害と言われるのです。発達障害は治すものではありません。活かすものなのです。

 子供の特性が、良い方向に向かうように特性を間違えないように活かすことが、発達障害の子供たちの人生を豊かにしていくのだと思います。
私のように、大人になって気がついても、なかなか生き方や考え方を変えることはできません。
まわりに合わせるために、さらに強いストレスを感じながら生きなくてはならなくなります。
 しかし、子供の時から身につけていれば、変なひねくれたような行動をとったり、まわりから煙たがられたりしないため、ゆとりある環境で経験値をあげていくことができるのです。
現に私の7年間と息子の7年間では、成長の質が全然違います。

 私だって私なりに理想に向かって確実に良い方向に成長を遂げているという自負もあります。しかし、息子の成長と比べれば私の成長なんて10分の1程度の成長です。それだけ息子は自然と私以上の成長をし続けています。

そして、成長した息子は私の話し相手にもなってくれる、私にとっても大好きな子に育っています。

 我が子を発達障害として受け入れるには、いろいろ不安もある方も多いと思います。
でも、考えてみてください。親に不安がられる子供の気持ちって耐えられます?

 世間一般的な価値観に捉われなければ普通に考えられることは沢山あるのです。
子供たちには、当たり前のように楽しい明るい未来は用意されているものとして生活してきています。そんな未来に不安を持った親が、未来を夢見る子供たちとどう顔を合わせますか?
そんな可哀想なことはありません。まわりの目なんて気にせず、自分の子供が失敗した時は、自分が失敗したと思って全力で謝って、帰ったら笑って反省して、次はお互いに嫌な思いをしないように成長していくことが大事だと私は思います。是非、発達障害をもつ親なら、その特性を誰よりも評価して上げ胸を貼っていただきたいと私は願います。

 私たちの行動は、世間一般的には受け入れられない方も多いと思います。
でも、そんなことどうでもいいのです。もし、アスペルガーの考え方に耳を傾けてくれる人が一人でも多くいてくれたらアスペルガーだって、違った成長をしていくものです。

 喜怒哀楽の感情が豊かな、アスペルガーの怒だけを心配するのでなく、怒の感情以上に、喜哀楽をどんどん伸ばいんですよ。怒の感情を育てなければ、幼くは見えるかもしれませんが、普通に成長しますよ。

 是非、お子様がアスペルガーだとわかっておられる方も、我が子の可能性は、世間一般的な評価基準と違う、未知の可能性を秘めた逸材だと信じていただきたいと私は思います。

もし、旦那さんや奥さんがアスペルガーで、夫婦間で問題を抱えている方が、同じように育って欲しくないから今から厳しく育てると思っておられるなら、子供の考えやこだわりを受け入れてもらえない環境が私のような人間を育ててしまうのです。

「この子は、アスペルガーを武器に楽しく生きていくんだ。」と信じて愛情いっぱいで接してあげてください。アスペルガーだからって世の中の誰もから嫌われる子になんて成長しませんよ。