アスペルガーの人と普通の人とどこが違うの?


久しぶりの投稿ですね?
いっぱい書きかけの記事はあるのですが、なかなか時間がなくそのままになっていました。
最近、仕事が今まで以上に忙しくなり長期出張も多く、いろいろと忙しく仕上げるのに時間がかかってしまいました。

私も、アスペルガーのため仕事等で余裕がない状況下では、まともに自分を振り返ったり、物事を考えることが苦手なため、仕事中心の状況下ではその余力を使うため、落ち着いた時に書かせていただいております。

アスペルガーというと、一般的に人と違う生き物のように言われがちです。
しかし、基本的には皆さんと同じなんです。
と言ってしまうと、全然違うことも多いのですがそれは後ほど説明いたします。
アスペルガーは、まわりの人から見れば宇宙人のように感じ理解されないことも多いのは確かです。
そういう意味では、違うとも言えます

みなさんも、出会った頃は「優しくて男らしい、芯がしっかりしている」なんて思って付き合いをはじめると、時間とともに「自分勝手で頑固なうえ人の話を聞かない」と別人のような感覚を感じられている方も多いのではないでしょうか?
しかし、感じたり考えたりすることは、みなさんと同じなんです。
さまざまなトリガー(イベント)にて、グッと我慢ができなかったり、感情の制御ができずに荒れてしまうことがあります。
発達障害の人は、自分の感情を整理したり、制御することがとても苦手です。

しかも、その行動の選択に気がつかないことも多く、気がついてもその失敗を取り返すことができずに、状況を悪化させてしまうことも多いのも確かです。

よく「アスペルガーには心がない」と言われることも多いですが、感動する映画を見れば泣きもします。人前でも恥ずかしげもなく大声で泣く人もいます。
「そこまで面白い?」と思う内容に大笑いをしたり、ちょっとしたことに感動したり、好きになったり、感情のコントロールを本能のままに、むき出しで行動する人もいます。
中学生や高校生が、箸が転がっても笑うのと同じですね。
みなさんも、若かりし頃、恋の盲目になった経験はありませんか?
付き合った恋人について周りから「え〜あの人と?」なんて言われても「私だけは良いところを知っている」と思い込んだりした経験はありませんか?
アスペルガーでなくても誰にでも思い込みを信じてしまうこともあるでしょう。


アスペルガーは、似た感じでさまざまなことに、思い込んで行動することも多いのです。一般的な方より思い込みで行動する頻度が多いことが原因のひとつです。
まあ、笑ったり泣いたり程度ならいいのですが・・・・・

みなさんも時々、怒りの感情が湧くことがあると思います。そんな時に、聞かなかったふりをしたり、グッと我慢したりした経験もあると思います。しかしアスペルガーの人は、そういう状況下で感情のコントロールが苦手で、本能のまま行動をしてしまうことが多いのです。

発達障害の人でなくても、まわりの人の陰口ばかり言う人っていますよね?
発達障害の人は、陰で言ったりしない代わりに、正面から直接文句を言う人も少なくありません。
いろいろな感情を抱くところまでは、みなさんと変わりはありません。

発する言葉ひとつひとつにしても、オブラートに包んだような話し方ができず、直球的な意見を口にしたりします。女性の後ろにボタンがある服を見て「それ後前だろう?」と言ってみたり、転んだのを見て「バカじゃない」と口走ってしまうことがあります。頭では「大丈夫?怪我ない?」と思っているのに余計な一言が先に出てしまうことがあります。塩分の濃い料理が好きなのに健康のため塩分を控えた方がいいこともあり、美味しいのに「もっと塩分控えた方がいい」と料理に対して口にしたりします。一言「この味が好きなんだけれど・・・・」と付け加える能力があればいいのですが
誤解を招かないように理由などをきちんと伝えて、相手を不快にさせない言葉の選択が苦手なところもあります。

まあ、言わないといけないか?という疑問はごもっともだと思います。

また、自分の価値観や考え方に執着してしまう傾向があるため、その行動は平均的な行動パターンとは違うことが多いのです。しかも、感情のコントロールが苦手なため、楽しい時間であっても、突然怒りが込み上げてきたりもします。
もちろん、アスペルガーの私たちでも「またやってしまった」と思うことも沢山あります。しかし、その失敗を繰り返してしまうのです。
みなさんから見れば「気をつければいいだけじゃないの! 同じ失敗を繰り返すのはわかっていないからだ!」と言われるのはごもっともな意見です。でも気をつけても瞬間湯沸かし器のように一瞬で我を見失い行動してしまうのです。

とはいえ、同じ失敗をしながらでも成長はしているのです。
よく、家と外では全然違う人(内弁慶・外弁慶)という評価もよく聞きます。
私たち、アスペルガーだって、本能むき出しで世の中を渡ってはいけないことくらいは理解はしています。しかし、、家族や夫婦や恋人となると、少しはある遠慮や理性が働かなくなる傾向もあり、付き合いだしたり結婚した途端に変わってしまうこともとても多いです。
よく聞くのが、発達障害当事者の親から「あの子は、小さい時から大変だった」と言われることが多いのです。

こだわりの多いアスペルガーにとっては、自分と違う行動や考え方など気になって仕方ないのです。
社会では、ある程度制御していても、親しくなると、その制御ができなくなってしまうことが多々あります。

特に、毎日の食事や生活習慣についてのこだわりは、なかなか家族とペースが合いません。
私も、玉ねぎをしっかり炒めていないカレーや揚げすぎた唐揚げが嫌いで、煮付けの味付けなど、こだわりのある料理も沢山あります。しかし、一つ一つ味付けについて言っていたいたら私用の料理なんてこの世には存在しません。
だからと言って、我慢して食べ続けるのもストレスで、カレーだけは食べないことを許してもらっています。家族にも人気がある唐揚げや煮付けなどは、私が作ることにしています。
家族が我慢する、私が我慢する、という生活が長く続くはずもなく、お互いにストレスを軽減させる方法をとっていくしかありません。


私たちアスペルガーは、こだわりを家族に強要することだけは避けなければ共同生活は息苦しいものになってしまいます。
そして、家族もアスペルガーのこだわりを無くそうとしても無駄な努力です。
アスペルガーのこだわりは、無限にあるため、「料理の味付けについて我慢する」という一言では片付けられないのです。料理があれば料理の数だけ、調味料ひとつひとつ、作り方ひとつひとつ、味付けも、生活習慣にもついても生活習慣の数だけこだわりがあるのです。

 アスペルガーの人と一緒にいると、いつも不機嫌そうにしているように感じたり、一緒にいることに恐怖や不安を感じる人も多いと思います。みなさんだって、時には嫉妬したり、なんとなく気持ちがすぐれない時、虫の居所が悪い時など、さまざまな感情の中で生きておられると思います。
人間、神様や女神様ではないので、いろいろな憎しみ、嫉妬、時には大きな声で叫びたい時、ひとり静かにいたい時・・・・人は、いろいろな感情のなかで生きています。
その感情ひとつひとつに反応してしまうアスペルガーは、一般的に見てもかなり面倒な生き物です。

世の中には、考えても答えが出ないことなんていっぱいあります。
そんななか、発達障害の人は日頃の生活において、数多くのトリガーですぐにフリーズしてしまいます。その感覚はみなさんも多かれ少なかれ経験はあるのではないですか?
たとえぱ、大好きだった人から別れを告げられた時にパニックになったことや、受験や就職で失敗した時などなど、パニックになった経験ってありませんか?
発達障害の人にとっては、そういう感覚が日常で頻繁にあります。

例えば、仲間や家族で釣りをしに行った時に、まわりは飽きて「もう帰ろ」と言われると、楽しい時間が終わることを受け入れられなかったりします。
一緒に高級料理店に食事に行ったとします。その時間を楽しめばいいのに・・・・
「あそこの店もよかった」「あっちもよかった」と自分は楽しんでいるのですが食事が始まる前から、次のことや別の場所のことを考えていたりと、「まずは、今を楽しもう。」という感情のコントロールができなかったりします。
これは旅行でも同じです。目的地に行く前に「今から行くところは、○○で××ですごいんだよ」と行く前に全部解説したり、「今回はここだけれど、次回はあそこに行こう」と目的地にも着いていないのに次の計画を立てたりと、落ち着いて楽しむことができなかったりもします。
一緒に行って、自分の知識や感覚を無意識で押し付けて、一緒に旅行に行く人が今から体験する新しい感情や感覚を奪ってしまうことも多々あります。
料理を食べている時に、そわそわしだし「この料理はあっちの方が美味しい」とか「あっちの方が安い」とか複雑な感情にパニックになることがあります。
当然、一緒に行っている人も楽しくはないですよね? 変な空気になり少し時間が経つと不機嫌んな顔になってきたりします。
勝手に一人で頭の中で暴走し始めて一人でパニックになっていることも多々あります。
そんな時、同伴者が誤ってフォークでも落としたりすると「これだから、お前みたいなやつと来たくないんだよ」とかそのフォークを自分で拾おうとする姿に「マナーもしらないのか?」と怒り出したりすることもあるかもしれません。

みなさんだって、冷静に考えれば失敗しなかった経験ってありませんか?
発達障害の人は、そういう失敗が多いのです。
発達障害の人の行動は分かりにくいかもしれません。だけれど、その原因(トリガー)はみなさんと対して変わりはありません。しかしその時の感情のコントロールやクールダウンに時間が必要なことから失敗が多いことがよくあります。

私の妻もよくあります。私が感情的になり「やばい!」と思って距離をとりクールダウンをしようとしているのに、しつこく「なんで、なんで・・・・」と言い寄ってきます。
こうなると、私もクールダウンどころではなくなってしまうのです。
妻は、臨床心理士の資格までとったのに、やはり人間ですから私が距離をとってクールダウンをはかろうとしているにも関わらず、感情のまま立ち向かってくることがあります。
完璧に対応しようとしても、知識があっても実行できないのにそんなの無理な話です。
だから、少し気を付ける程度でも全然変わってくると思います。

逆に、発達障害の人から見れば直感的に行動できない人を「なんで?」と思うことも多いのです。体が不自由な人に躊躇なく「お困りですか?」声をかけたり、知らないことは知っている人を見つけて気にせず聞く人もいます。わからず悩んでいる人を見ると「なんで考えてもわからなければ聞けばいいのに?」と物事を単純に考えて行動できたりする人も少なくありません。逆に複雑に考えて遠回りする人も少なくありません。「俺は絶対に人に聞かずに自分で解決する」と決めている人もいます。恥ずかしいとか、周りの人の目を気にしないからできることもいっぱいあり、発達障害であろうとなかろうと、行動は人によって全然違います。

確かに、直感的に行動するアスペルガーにとっては、人を傷つける行動をとることもあります。会社では家庭の自慢をしているのに、家に帰ると批判ばかりしていたり、家庭で乱暴になのに、家族が大好きだり、まったくゆっくりと考え事ができないのに、ゆっくりとした自由の時間を求めていたり、発達障害の人も複雑な感情と共に生きていたりします。

発達障害の人とそうでない人との違いは、感情のコントロールが苦手な特性ということも確かにありますが、その経験値が少ないことも関係しています。
私も、以前は自分の考えのまま生きていました。しかし、まわりとも距離を保ち自分の時間をもつようになってからは、無駄にテレビを見たり、無駄に休日を過ごしたり、一人の時間を増やすことで周りに対する反応も変わってきたことを強く感じています。

私も、自分の価値観や考えなどこだわりが多い特性は変わりありませんが、その行動は大きく変わってきたと実感しています。
「まあいいや」「しゃーない」「どうでもいいや」「どっちでもいいや」と極端にいい加減な人間になった気もしますが、それは私が最も嫌いなタイプでしたが、実は私に欠けていたのは私が嫌っていた行動だった気もします。それは今までに私自身が経験したことのない生き方で、その経験が生む失敗も成功も経験し、私の行動パターンが増えたことも間違いありません。

発達障害だから失敗するのではなく、みんな失敗を繰り返しながら生きています。
でも発達障害の失敗の数は比べものにならない・・・・・

確かに「宇宙人」と言われても反論もできない私たちですが、みなさんと同じように考えて、行動しているだけで、私たちにとっては特別な実感はないんです。

確かに、一緒に生活するには、面倒で理解に苦しむ生き物ではございますが、いろいろな感情を感じたりした結果による行動が違うだけで、さまざまな感情を持つトリガーはみなさんと同じだということを、少し知っていただけると、私たちアスペルガーの見方も少しは変わってくるのかもしれません。

決して、みなさんがアスペルガーや発達障害を理解していないと批判しているわけではありません。
発達障害の私たちとの生活は、地獄のような辛さを感じられる気持ちは120%以上理解しております。ただ、私たち発達障害者を一般的な平均的な行動に当てはめ否定されたのでは、私たちだって息苦しいのです。その息苦しさの勝ち負けや大きさを議論するつもりもありません。
ただ、私たち発達障害の人と共に生きるということは、私たちの特性を「悪」と決めつけるのであれば、お互いに辛い思いをするだけです。

共に、一番いい選択肢を選べるパートナーになれれば、こんなにいいことはありません。
人は、善悪、正義や否かと決めがちですが、私はそれぞれの考えや価値観と自由でストレスの少ない生き方を選んでいいと思っています。
その結果、一緒に生活はできないと最悪な結論が出たとしても仕方がないこととは思いますが、発達障害だから治さないといけないと病気のように扱われたのでは、私たち発達障害者当事者だって、共に生きる意味はないですからね。

私だって、娘が結婚前なら発達障害者との結婚なんて反対しますよ。
でも、発達障害者だって自分の特性を武器に生きているのです。是非、お互いが幸せになれる道を見つけていただきたいと思います。

面倒な特性はいっぱい持っていますが、アスペルガーだっていろいろ考えてはいるのです。
でも、それを活かすことができないことも多々あります。私だって未だに失敗もしますし、納得いかないことも多いですが、今の家族と時にはぶつかり、でもほとんどが笑いながら生活できる今の関係を、家族のため、私のために私なりに全力で守っていきたいと思っています。

今の家族との共同生活を送りながら、失敗を繰り返してもこの先も改善しながら、私たち家族の一生で笑った回数が1回でも多くなれば、私はそれでいいと思っています。

本当に、発達障害の人との共同生活はお互いに大変です。
それでも、一緒に生きたいのであれば、お互いが理解できないことも現実も含めて理解して、お互いがハッピーになれるスタイルを見つけて欲しいと思っています。