「発達障害(アスペルガー)の人はこだわりが強い」と言われます。一般的な人がなんとなく想像するこだわりとアスペルガーの持つこだわりの強さとは少し違います。みなさんの想像では車やパソコンのパーツにこだわって改造や拡張したり、アニメやアイドルにハマってしまう人などを想像するのではないですか? アスペルガーのこだわりとは何かに対してこだわるのではなく、さまざまなものに対してこだわりを持ってしまうのです。アスペルガーのこだわりというのは、一般的なこだわりとは大きく違うのです。
もちろん、一般的にこだわる人と同じようなこともあります。
車やパソコンの改造に人以上にこだわるから発達障害というわけではありません。
発達障害のこだわりというのは、そんなレベルではないのです。
以前の記事に書いたこともありますが・・・・
世の中にある、物、考え方、価値観、肌触り、色、味、デザイン、テレビ番組、本などなどあらゆるものに対してこだわります。
しかも、そのこだわりの強弱もまちまちで矛盾したこだわりもあったりします。
普通の人なら、「そこまでは・・・」とか「できれば・・・」など妥協したり、自分の世界で満足したりしますが、発達障害の場合は「こうあるべきだ」「こうしないといけない」と言ったことを、どうでもいいことまでこだわったりします。
このこだわりのため、家族間でも目についたことひとつひとつに口出しをして、「あーせ」「こーせ」と朝から晩まで顔を合わせるたびに何かしら指摘しつづけられ、パートナーも生きづらい共同生活を送っている人も多いのです。
と言葉で言ってもわかりづらいのでいくつかのケースを紹介いたします。
ひとつひとつの紹介するケースに当てはまるからアスペルガーというわけではありません。ひとつひとつは、発達障害でなくても、こだわる人はたくさんいます。
しかし、アスペルガーの場合は、このケースの数が半端なく多いのです。
ケース1. 文房具
シャーペンやボールペンなどの書き心地にこだわる人は多いと思います。
これが、発達障害の人になると・・・
・自分のお気に入りのシャーペンやボールペンでないと使いたくないため、常に持ち歩いている。
・忘れたくないから、全てのバックに同じ物を入れる。
・亡くしたり壊れたりするので嫌だから気に入った物は複数買う。
・出張先で忘れたのに気がついて、同じ物を文房具屋で買う。
などなど、別にとりあえずコンビニや100円ショップの安い他のシャーペンやボールペンを買ったり、備え付けのものや他の人に借りればいいのに、それが我慢できなかったりします。
これが、自分だけならいいのですが・・・・・
自分が使っているシャーペンやボールペンを、「いらない」と言っている人や他の文房具を使っている人にも、「絶対こっちがいい」と押し付けたりします。
そのくせ、「このシャーペン、めちゃめちゃいんだよ」と自分のと違うシャーペンを薦められても「いや、こっちの方が絶対にいい!!」と相手が妥協するまで自分の価値観を押し付けたりします。
自分の価値観が一番と思い込んだりします。
以前に、仕事でメモをとるのに筆ペンでメモをとる人を見たこともあります。
ボールペンだと、間違えたとき消せずに気持ちが悪いということでシャーペンしか使わない人は多いと思いますが、ボールペン書きをするときは、シャーペンで下書きをしてからしか書かない人もいます。私もボールペンを使うときにはiPadに下書きして書くことが多いです。基本、私はボールペンやシャーペンを使わずにパソコンやiPad等の電子媒体でメモをとります。
書いた内容を移動したり整理したり修正が楽だからです。
ケース2. 料理の基本
今は、ネットでもいろいろなレシピーが紹介されたりしていますが、アスペルガーは今まで学んだ知識や経験を大事にします。
私もそうですが、クックパッドなどのレシピーには、料理の基本を知らない素人が適当な作り方や味付けをしているレシピーが多く掲載されています。地域によって醤油や味噌の味も違ったりもする。
煮付けなどで、初めから醤油などを入れて長時間煮込むなんて私には理解できなかったりします。
ガスコンロとIHコンロでも、作り方も火力の使い方も違います。
アスペルガーは味覚や臭覚に敏感な人も多く、私も苦味が苦手でビールやお茶やコーヒーなど基本的にあまり好きではありません。そのため、唐揚げも下味に醤油を入れた唐揚げは苦手で塩・にんにく・砂糖・酒だけで作ります。
自分が発達障害と知るまでは、塩唐揚げ以外は認めていませんでした。
もちろん、今でも苦味のある唐揚げは嫌いです。
煮付けも同じで、醤油が焦げた味が嫌いなため、砂糖と酒とみりんで煮て最後の仕上げで醤油を入れるようにしています。
【私の料理に対するこだわり】
・塩は魚用、肉用にはそれぞれに海外製の岩塩を使っています。
・醤油は、料理用には鹿児島産のめちゃめちゃ甘い醤油を使っています。
・フライパンや包丁など道具も気に入ったメーカーのものを使います。
※気に入らない場合は買い替えます。
・ジャーに保温しっぱなしの臭いご飯は食べられない。
私は、発達障害と知るまでは、妻に「お前は馬鹿か、こうして作れ!!」と全ての料理に対して言っていました。「ご飯は必ず炊き立てにしろ」なんてことも言っていました。
臭いご飯を炒飯にしても、妻の作る炒飯は美味しくないので更にさまざまな注文をしていました。
それを私は、あたりまえのこととして認識していました。
ちなみに今は、ジャーに入れっぱなしでも何も言わないし、臭いご飯は自分で炒飯やリゾットや雑炊にして食べています。ただ妻は私が出張の時などジャーに24時間入れっぱなしの時があるのでそれはさすがに注意します。
今でも苦いのは苦手なので、我慢できない苦味だけは改良してもらうようお願いはしますが、他のことは口出ししないように気をつけてはいます。
とは言っても、人並み以上には言っているとは思いますが、以前に比べればかわいいものでアスペルガーということで少しは大目に見てもらっています。
ちなみに、私は野菜が大好きなのですが、妻は野菜にしっかり火を通したり煮込んだりするため苦味しかしないので妻の野菜料理は苦手なのですが、幸いなことに妻は野菜嫌いのため量が少ないので我慢して食べています。(我慢しているなんて本人には言わないですよ。)
「そこまでわかっているなら文句言わずなんでも食べろ」という気持ちも十分理解しています。
しかし、アスペルガーにとっては、みなさんが感じる以上にすごくストレスなんです。
だから、どうしても我慢できない時だけお願いしています。
そういえば、最近はストレスも感じなくなりましたが、箸で洋食を食べる人との食事はすごくストレスでした。店によっては洋食なのに茶碗でご飯を出す店で洋食は絶対に食べませんでした。
ナイフとフォークが使えない人との食事は、すごくストレスで相手が食べている姿を絶対に見ないように食べていました。
アスペルガーのこだわりとは、こんなどうでもいいことにまでストレスになります。
普通の人から見れば、なんでも因縁をつけているように思われがちですが、細かな部分にもこだわりがあるのです。
ケース3. 元祖・日本一などのついた店名が嫌い
私は、基本的に外食でラーメンを食べることが少ないです。
理由は、東京で博多ラーメンや尾道ラーメンと書いている店を見ると気になって味なんて楽しめないことが多いのです。だいたい、東京で店出しているんだから博多風ラーメンとか尾道風ラーメンならわかるのに、東京で出しているんだから博多ラーメンなんて名乗るな!と思ってしまうのです。
「豚骨ラーメンや醤油ラーメンと言えよ!」って思ってしまうのです。
決して、そういう店を批判しているわけでなく、アスペルガーの私にとっては気になって味を楽しむこともできず、一緒に同行していた人の話も聞くことができなくなるほど気になってしまうのです。
もう、30年ほど前の話なのでもうなくなったかな?川崎駅近くのちゃんぽん屋に入ると、長崎ちゃんぽんと博多ちゃんぽんとメニューがありました。
「何が違うのですか?」と聞くと店主は自身満々に「博多ラーメンは汁があるんだよ、長崎ちゃんぽんは汁なしなんだよ」と説明されました。心では「そんなことあるか!!信じている人いるんだろうな」と指摘はしませんでしたが、その言葉だけ気になって味なんて記憶にも残っていません。
アスペルガーによっては我慢できずに事実の白黒はっきりしようと討論する人も少なくありません。
私は、面白い勘違いだったのでそのままにしておきましたが・・・・
最近では、中津唐揚げや宇都宮餃子がなぜか日本全国どこにでもあります。なぜ、地名で勝負するのか? 私には騙されている気にしかならないのです。同じように元祖を名乗って勝負する店も同じ理由です。先日は、元祖●●ラーメンという店名であっちこっちにチェーン店を出している店に入り、「いやいや絶対に元祖じゃないだろう?」と調べてみると一号店の本店が2018年開業なのに「元祖ってなんじゃそれ?」と味わう前に、その事実が気になって味わうこともできませんでした。
有名店でお好み焼きを食べた時も、自分でひっくり返そうとしたら、めちゃめちゃ怒られたり、壁に囲まれ店員は顔も見せず出すラーメン店や席と席の間隔が狭くギューギュー詰の店など、私にとってはとても味わえない店は多いのです。
ラーメンを食べるのに並ぶことも私には考えられません。5000円のコース料理が1000円とかなら並ぶかもしれませんが、1000円以下の食べ物で並んで食べるって価値観が私には理解できないのです。以前にテレビでかき氷を食べるのに何時間も並んでいる映像がありましたが、暑いからかき氷を食べるのに・・・・・暑い中並ぶくらいなら、コンビニでアイス買った方がマシじゃないかと思ってしまいます。
先にも書きましたが、決してその店を批判しているわけではなく、私はその価値観に疑問を持つとそのことばかり気になってしまうのです。
そんな、価値観が一般的な人と違う私と食事に行ってもしらけて楽しく無いと思います。
並んで食べてもイライラしてしまうし、アスペルガーの人とは人気店には行かない方がいいと思います。
ケース4. ネット情報
世の中には、さまざまなネット情報が流れています。
これについては、人によって両極端に違いますが、なんでも信じる人、絶対に信じない人といます。
私は後者で、無責任なネット情報は一切見ません。気になった場合は、自分で試して判断します。
例えば、先ほどの料理のレシピサイトやYoutubeなどでレシピを参考にすることはありません。
メーカーサイトやきちんと料理人の書籍で売られているものは、さすがに社名等をかけて出している物なので、そんなに間違いがないと思っているからです。
タレントのレシピ本やサイトなど一切見たこともありません。
決して批判しているわけではありませんよ。私が素直に受け入れられないだけです。
素人の料理や基本を無視した作り方をする料理を正しく評価できる能力が私にはないのです。
美味しい美味しくないの問題ではないのです。
例えば、私はここ数年自転車が趣味で休日は100kmくらい走っているので、あっちこっち壊れたりします。そんな時に修理したりカスタマイズする際に、ホームページやYoutubeを見たりします。
でも、「元自転車が教えるチューニング」なんてサイトを見ると、「なんでこいつ自転車屋辞めたんだ?」と思ってしまうのです。店名出して技術をアピールするならわかるけれど、「技術・能力がなかった人なのか? 何年どこでどんな自転車屋で学んだのか?」そんな訳のわからない人から素直に知識を吸収できないのです。
実際に、メーカーの取扱書を読むと調整の仕方が間違えたりしていたこともあり、今では大手自転車屋チェーンのサイトと書籍やメーカーのマニュアルを入手して確認しています。
逆に、私と真逆のアスペルガーもいます。
間違えた情報でも信じ込み人に間違えた知識を拡散したりする人も多いのです。
政治や国際問題でもそうですが、世の中には正しいこと行き違いなど、片面だけでは評価できないことも多いため、さまざまな考え方や見方があるということがわからずに必要以上に偏った反応したりする人たちというのは世の中いっぱいいます。
その偏った反応を信じ込み、あたかも正義のように感じたりしてしまう人も多くありません。
一部の情報でコロナ対策ワクチンを一度も受けない人もいます。
ワクチンを受ける受けないは事情により選択することはいいと思います。
私の姪っ子も心臓に重度の障害を持っているので受けられない人もいます。
しかし、受けないことを「正義」や「悪」のように勘違いして他の人を巻き込むのはどうかと思います。私も息子もですが、発達障害の人は肌が敏感でマスクが苦手な人もいます。私も息子も自分に合ったマスクを探すまで何種類も買ってやっと見つけました。私たちは我慢できる程度ですが世の中にはマスクをつけることができない人もいるとは思います。
いろいろな意見に耳を傾けることはとてもいいと思いますが、特にアスペルガーの場合は偏った考え方や見方をしてしまうため、まわりを巻き込んでしまうこともあります。
ちなみに、我が家はコロナワクチンは私だけ4回目まで受けています。
私は、コロナにかかるわけにはいかないので気をつけています。
しかし、私の家族以外は2回目までしか受けていませんでした。
本当なら私としては、予防接種は強制的にでも受けさせたいのですが、そこはそれぞれの考えに任せていました。
しかし、息子は高校でシンガポールへの修学旅行楽しみにしていたのに、3回目の予防接種を受けていない生徒が多すぎて行けなくなるということを知り、ワクチン接種の必要性を知ったようで家族全員考えを変えて最近受けたようです。
他に、グルメサイトやamazonや楽天の評価は一切信用していません。
評価している人の経済力も価値観も違うし、ホテルも安さだけで高得点だったり、料理の量だけで評価が高かったりするので、ほとんど信用していません。いつも格安のボロ宿に宿泊している人は普通のホテルを高評価する場合も、いつもいいところに泊まっている人は低評価つけるでしょうし、そんなことを気にするくらいなら気にしなくていい所に行きたいからです。
ネットショッピングも高くても間違いのないメーカーのものを買います。気に入らなければ捨てればいいと思えるもの以外はショップで実際に確認して買うようにしています。
私の場合は、人の評価を素直に受け入れられないのです。だから、評価を信じない代わりに文句も言わないのですが、私と逆に人の評価を鵜呑みにする人もいます。無メーカーの数百円から数千円の安物を買ったにも関わらず気に入らないと、必要以上に怒り狂いすごくクレームをつける人もいます。
「相場より安いもの買って、値段相応! 安物! 使えない!」って当たり前じゃないとしか思えず、私には人の高評価も低評価で判断することができません。だから買って使わずに捨てることも多いです。
ケース5. 目に見えないものについてわからない
アスペルガーは、目に見えないことや結論が出ないような問題について考えることが苦手です。
先ほどのコロナワクチンについても、「絶対に受けるべき、受けないやつは一歩も外に出るな!!」とか「将来どんなことが起きるかわからないのに、ワクチンなんか打てるか!!」などと言いたくなるのは、アスペルガーでなくてもそう考える人はいっぱいいると思います。
一般的に、「国が言っているし、ほとんどの人が接種しているから・・・・・」
ってのが大半だと思います。まあ、それが正しい考え方か間違っているかは、ここではどうでもいいことです。
でも、アスペルガーの私には、効果や結果が見えないことはすごくモヤモヤするんです。
コロナワクチンについては、私は去年から入院ドックの際に抗体検査を受けて抗体があることを確認して安心するようにしています。結構な金額はするし、抗体ができていてもできていなくても何も変わらないけれど、気にするストレスからは解放されます。ちなみに先日も受けてきたところです。
他に、年末助け合い運動とかUnisefとかの募金なら間違い無いでしょうが、外国人が「私は学生ですこのお菓子を買ってください」とか「○○の募金をお願いします」とか「財布を落としたので交通費を貸してください」と個人でお金を請求されると、「本当かな?」と疑う自分にもストレスを感じますし、モヤモヤしてすごいストレスになるため何も考えずに払うようにしています。神社に立ち寄ったりや募金を求められると払わずに立ち去った後に、その行動が気になってしまうが数百円払うだけでそのストレスから解放されるのです。
まわりからは、「あれ絶対に騙されている」と言われてもそれが私にとっては一番楽な方法だったりします。もちろか私と逆の価値観を持つアスペルガーだっています。「騙されるくらいなら払わない」という人もいると思います。私も、世の中に流されればあまり考えずに楽だということは経験上理解はしています。が・・・・やはり気になってしまいます。時と場合によって流されればいいのはわかりますが、そんな器用なことはできないのです。
ケース6. 将来に不安を感じてしまうことが苦手
ケース5.に書いたように、見えないことに関してすごく不安を感じてしまいます。
未来を想像することが苦手な私たちは、想像していた未来が変わることがすごくストレスになります。
答えがわからないことに関しては、自分が楽な方を選択することで解決していますが、もしそれができない発達障害の人は、ずっとすごいストレスを感じて生きていると思います。
基本的に、将来のことなんて誰にもわからないでしょ? アスペルガーが将来のことを考えることは、みなさんの想像以上のストレスなのです。だから、アスペルガーの人は自分の価値観を優先することでそのストレスから逃れているのです。
電車が遅れる、渋滞に巻き込まれて予定時間に間に合わないなどすごくストレスを感じるため、私は出張の際は、一時間以上余裕を持って行きます。
「絶対に間に合う」と確信が持てる場所で、喫茶店などで仕事の準備をしたりすることが多いです。
早く出張に出発すると、パソコンのバッテリーやスマホやモバイルルータのバッテリーが心配になったりします。充電ケーブルや充電器などもいっぱい持っていきます。
モバイルバッテリーだけでも数日電源なくても困らないように重たい大容量のものを3〜4個カバンに入れるため、大きなリュックに着替えなど意外にパソコンとiPad proとモバイルバッテリーやケーブル類など10kg以上の荷物になります。ケーブルも使えなかったらいけないので予備も持っていきます。
通信機器として、スマホもDoComoの60GBの契約にしていますが、足りなくなったら嫌なので使い放題の楽天も契約しています。「だったら、楽天だけでいいじゃん」って言われるのですが、通信できないエリアが多いため基本DoCoMoでないと落ち着かないのです。ちなみに会社のスマホもあるのですがパケットは共有で使っているため気にしながら使わないといけないので、そのストスレが嫌なので個人で契約しています。
車については、ガソリンも半分以下になると、すごく不安になるのです。
次に乗るときに入れ忘れたりしてガス欠の心配をするのが嫌なので常に満タンにしています。
今は妻と別々の車に乗っていますが、以前はギリギリまで入れない妻にイライラしていました。
もちろん、enptyのランプがついても20km〜30kmは走れることくらいは知っていますが、それでも気にしながら運転するストレスが嫌なんです。
他には、私のカバンには必ず折り畳み傘が100%入っています。
降水確率0%でも絶対に入っています。
私は、小雨でも雨に濡れることが絶対に嫌なことと、ビニール傘だとすぐに壊れたり盗まれたりするから基本的に買いたくないのです。
ほんの一部を紹介したけれど・・・・
書こうと思えば、永遠に書けますが今回はこれくらいで・・・・・・
しかし、アスペルガーのこだわりで一番厄介なのは、先に少し書きましたが、自分の価値観が基本のため、自分の価値観を同じようにまわりに求めてしまうことです。
それが、無限にこだわりを持っていることです。
・絶対このシャーペンいいからこれ買え!
・ガソリンも1/4程度までなら普通じゃない? はぁ?半分で入れとけば間違い無いだろ?
・モバイルバッテリー貸して?はぁ?充電きちんとしとけよ!
・肉料理はこの塩使え!
・ティッシュは、柔らかいこれを買え!
・歯ブラシはこれ買え!
・シャンプーはこれにしろ!
・料理はこうしろ!
・調味料はここのメーカーのこれを買え!
・台所の流しはゴミ箱じゃない!
・冷蔵庫に賞味期限が切れたものを入れるな!
・リビング等で音質の悪いスピーカーで音楽を聴くな!
・時間に余裕を持って行動しろ!
・消耗品は切れてから買うのでなく、ストックを使ったら買え!
などなど
気がついたことは、なんでも口にしてしまうのです。
ちなみに、私もできるだけ言わないようにしてはいますが・・・・
残念ながら、大量に言わないだけで、時間をかけて小分けにして言っているところがあります。
気をつけてはいるのですがね・・・・
言わないように気をつけていても、目にはいったり気がついてしまったりすると気になってしまうのです。だから、私は基本的に見ないようにしています。
リビングにいる時間も短くし、自分の部屋にこもっています。
見るとついつい口にしてしまうので、だったら見なければいいのです。
もし、見ないとか距離を取ることを「あなたは理解していない」と思う方もおられるかもしれません。しかし、アスペルガーにとっては、自分こだわりを無視するとこはできないのです。
「こだわるな」なんてことは無理なんです。「言わないようにすればいい」というのも我慢によるストレスが、のちのち取り返しのつかない反動がくるのです。
でも、妻は賞味期限のものを捨てるということを知らないため、冷蔵庫の奥にはいつも賞味期限切れのものが必ずあります。なんで食べない物を買ってくるのか? 何ヶ月も使わない調味料を買うのか?
生クリームなどそのときにしか使わないなら賞味期限切れ待たなくても捨てればいいのに・・・・・
と思いながら、気がついたときには賞味期限切れしそうなものを前に出すようにしています。
私が使うシャンプーや歯ブラシなどの消耗品は自分で買うようにしています。
調味料も私がよく使うものは私が買っています。
妻が料理しているときは、汚い台所を見たく無いので絶対に行かないようにしています。
では、私はすべて完璧にしているのか?
とんでもない!!!! 私だって、自分のこだわりを完璧にできるはずもありません。
世の中は、私の求めることの10%も思い通りにはなっていません。
だから、イライラするのです。テレビ番組にしても、料理にしても、給料も仕事も、人間関係や生活環境も体調もすべてにおいて、私の理想とすることのほとんどが叶いません。
価値観やこだわりを一番わかっているはずの自分自身ですら10%も満たしていないのに、それをまわりにもにも求めるのです。そりゃ〜無理というものです。
私だって、調味料切らしたまま買い足さずにそのままだったりします。
切れたときは、妻に「これ買っといて」と言いますが、忘れることもあります。
最後にお風呂入ったのに流し忘れることもあります。
今回は、共同生活部分だけを紹介しましたが、私だけの個人的なこだわりは限りなくあるわけですから、腕時計を忘れたり、Apple watchの充電し忘れなど、出張先でパソコンの充電器を忘れて何度、現地で買ったひとか、鞄や財布や鍵を何度忘れたり落としたことか・・・・・
AppleのAirTagという、手元から離れたら通知してくれたり、場所を探したり、音を出したりできるのですが、私は8個つけているくらいです。
先月は、ポーチに入れていたAirTagを1個落としてしまい、夜中に近くまで行って探したのですが見つからず数日後、出張先のゴミ処理場で反応していました。同僚には「AirTagにAirTagつけたら?」と言われてしまいました。
人には「こーしろ」「あーしろ」と言うわりには、自分自身も沢山できないことがあるのです。
もうひとつ重要なことは、アスペルガーの人は、こだわりの重要度が変わらないことです。
シャンプーが切れていても石鹸で洗えばいいし、料理中に片付けながら料理できなくても最後に綺麗にしておけばいいし、誰が何を使おうが自分に関係ないことまで、自分の価値観を押し付ける必要なんてまったくないのです。
出かける時間も、遅刻しても問題ない時まで怒らなくてもいいのです。
流石に、何日も前のご飯やおかずの残りを冷蔵庫に入れっぱなしは怖いですが、匂いや菌が繁殖しないものは気がついたたら捨てておけばいいだけです。
アスペルガーにとっては、シャンプーが切れていることも、不注意で事故を起こした時も同じなんです。調味料のメーカーを間違えたときも、塩と砂糖を間違えたくらいの違いとかわらないのです。
自分自身の時なら、自分に怒ればいいのですが、これがパートナーだと「えっそこまで怒る?」ってことは日常茶飯事です。
私は、すごく時間に余裕を持って出かけるのに、その余裕を持った時間に遅れるだけでイライラしてしまっていました。出かける前はいつも怒っていました。まあ、妻が極端に時間にルーズってのもありますけれど、今は出発予定時間の30分前を前日に教えるようにしていますが、最近はその30分を当たり前と思っている妻には、ちょっとイラっとしますけれどね(笑)
昔は、私が気がついたことを全て指摘していることに、私は気がつかないで毎日朝から晩まで妻を責めていました。今でも妻からしてみれば「細かいうるせーやつ」と思われているとは思いますが、以前に比べればその頻度は全然かわりました。
そんなアスペルガーとどう向き合えばいいの?
やはり、いつも書くようにお互いに距離を取ることだと思います。
一般的な夫婦の距離感を求めることは、お互いに辛いことだと思います。
例えば、お互いに10個だけ具体的な内容で要求事項を交わし、絶対にお願いすることだけを決めて、それ以外は、お互いに「仕方ない」ということにするのが一番いいような気がします。
「怒らせないためにはどうすればいい」なんて考えないことです。
箸を落としても、手が滑って茶碗を割っても、売り切れで買えなくても、テレビに夢中になって話をきてなくても、子供を優先しても、話の途中で電話がかかっても、歯磨き粉が切れていても、トイレットペーパーが安売りで別のメーカー買っても、軽い冗談が伝わらなくても、親を殺されたのと同じように怒るのですから・・・・・避けようがありません。
指摘されたからと気を付けるのが当たり前ではなく、誰でも気をつけはするけれど忘れることはあるし、アスペルガーのこだわりに全て応えるなんて無理ですし忘れらたら困るなら自分でやってもらうという関係を築くことが大切だと思います。
アスペルガーが要求した内容を書き留めるのもいいかもしれません。
そして、アスペルガーはきちんとできているかを見て、もしできていなかったら、ちゃんといつできなかったのか書き溜めておくと・・・・・・
どなると思います?
反論できなくなった時のお決まりの行動は、「もういい!」とブチ切れて問題をすり替えて怒るとか
何日も無視しつづけるとか、パニックになりその場を逃げる行動をとります。
よく、「無視されているけれどどうしたらいいか?」という問い合わせのメールを届きますが、それでいいのです。何日も逃げ続けて少しでも考えてくれればラッキーなだけです。「またかー」って気持ちで放っておくのが一番です。
無視している行動は自分で考える時間になります。ただ人によっては「あいつが謝るまでゆるさない」と目的が変わったりするのもアスペルガーあるあるの話です。
でも、それでもいいのです。無視し続けるというのはアスペルガーにとっても不自由な時間なのです。そのストレスを回避する方法を少し考えるだけでも成長を促します。
アスペルガーが求める理想は、私たち本人でも無理なことが多いです。
だから、いつも情緒が不安定で気持ちが乱れることが多々あります。
人の多い場所、時間に追われるスケジュール、価値観の合わない所に一緒に行くことは避けた方がいいです。相手の要望をひとつ聞いたら、こちらもひとつ要望を伝えるといった感じで、お互いにどんな形が合っているか模索することが大切です。