思春期のアスペルガー症候群 ~発達障害だっていいじゃないか~

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大人のアスペルガーで苦労している当事者も多いとは思いますが、少なくともアスペルガー症候群と付き合って長い年月の中で生きて行く術を学んできました。

いろいろとトラブルになりながらも、なんとか回避しているアスペルガーが多いことでしょう。

しかし、思春期のアスペルガー症候群には、深刻な問題が発生しやすいのです。

先日、熱心に子供の発達障害と向き合っておられるお母さんからメールをいただきました。

旦那さんもアスペルガー症候群で、うちと同じく子供もアスペルガー症候群なのですが、旦那の様に育ってほしくないから、今から厳しく教えているというものでした。

もちろん、そこには母親としての愛情があふれていることは、アスペルガーの私でも理解できます。

しかし、「アスペルガー症候群」を治そうとしているのではないか?

という疑問を感じました。

もし、治そうと思っているのなら、少し考え方を変えた方が良いでしょう。

 

小さい頃は、友達も周りの大人たちも「ちょっとかわった子だなぁ~」と思っていただけなのに・・・・

少しずつ大きくなっていくうちに、「あの子なんか変じゃない?」と言われるようになってきます。

相手の気持ちがわからなかったり、思ったことを悪気もなく平気で口に出したり、普通の子がしないようなことをしたりと必然的に友達が距離を置き始めるのです。

私たち発達障害の子供をもつ親は、その生きにくい直面する問題を、正しく導いてあげる必要があります。

その為には、しっかりとした知識が必要です。

 

まず、根本的に私たち同世代のアスペルガーは、子供の時に誰もアスペルガーなんて知らずに育ってきました。

しかし、それぞれにちゃんと社会生活を送っている人がほとんどです。

決して、発達障害だからと言って将来を卑下する必要はありません

 

私のサイトは、どちらかというと大人の発達障害を主にテーマとしてきました。

大人の発達障害の場合の、ほとんどの問題点は、アスペルガーの一部の特性である

怒りっぽさ

束縛が過ぎるモラハラ

コミュニケーションに関する問題

などで、夫婦生活に関しての問題が大きかったのですが・・・・

大げさに言ってしまえば、ダメだったら離婚しちゃえばいい!!!

※もちろん、離婚なんてしたくはありませんが・・・・

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だけれど、子供たちは違います。

どんなことがあっても、見捨てることなんてできません。

子供には幸せになって欲しいと願う気持ちは、親として当然でしょう。

子供のうちに友達から学ぶことも多いのは確かです。

社会性も育てておかないと、将来困ったことになることも確かです。

だからと言って、「あなたは、発達障害だから気をつけなさい」と言われて受け止められると思いますか?

私も発達障害を3年前から自覚しながらも、受け止めきれない部分もまだまだあります。

大事なのは、発達障害かどうかでなく、直面する問題ひとつひとつに注目すべきです。

 

子供たちだって、命令や指示はされたくないんです。

アスペルガーは曖昧さに苦しむことが多々あります。

「普通の人は、そんなことしないでしょう~それくらいわからない?」

わからないのです。

だからと言って、親切丁寧に、その行動がダメな理由もわかりやすく教えているつもりでも・・・

本人には納得できない場合が多々あります。

お母さん

「どうして、友達を叩いたの!! どんな理由があってもケガをさせたらだめでしょう」

息子

「だって、○○くんが僕の消しゴムを勝手にとったんだ。」

お母さん

「○○くんは、何も言わないでとったの?」

息子

「うんうん、『貸して』と言ったけれど、ダメと言ったのに取ったの」

お母さん

「消しゴムくらい貸してあげたらいいじゃないの 今度から貸しなさい!!」

と普通の会話の様に思えますが・・・

アスペルガーにとっては、この消しゴムは僕のものなんです

僕がダメだと言ったのに、勝手にとった〇〇君が悪いはずなのに・・・・

なんで、僕が怒られないといけないのでしょう?

理解できない理不尽さに混乱し、きっと、そういった考え方をこの事件ひとつで解決することは、難しいでしょう。

アスペルガーは、そういった理不尽さから混乱しパニックに陥ることが多々あります。

まずは、ケガをさせたことを怒りたくなる気持ちはとてもわかりますが

アスペルガーの子供の場合は、どうして叩いたのかを ちゃんと詳しく理由を聞いてからにしましょう。

お母さん

「どうしてどうして、友達を叩いたの!! 」

息子

「だって、○○くんが僕の消しゴムを勝手にとったんだ。」

お母さん

「○○くんは、何も言わないでとったの?」

息子

「うんうん、『貸して』と言ったけれど、ダメと言ったのに取ったの」

お母さん

「お気に入りの消しゴムを貸したくなかったのね? それは嫌だったわね~」

まず、子供の話をよく聞いて肯定してあげましょう。

そこからです。

お母さん

「お母さんは、大事な消しゴムを貸してあげられる、優しいあなたが好きよ

 きっと、〇〇くんも、どうしても必要だから「貸して」と言ったのよ~

 だから、今度から「いいよ」と貸してあげようか?」

と、消しゴムを今度から貸してあげるということをちゃんと一緒に考えるチャンスだと思って話せばいいのではないでしょうか?

そして、大事な叩いたら行けない理由を教えてあげましょう。

お母さん

「絶対に、どんな理由があっても人を叩いたらダメよ

 人を叩いたら、どんな理由があっても、あなたが悪くなっちゃうのよ~

 そんなのお母さんは悲しいからもう叩いたりしないで」

とまるで幼稚園児を育てる気持ちが大切です。

私の通っている病院の先生は、

先生

「発達障害の子供はマイナス5歳として計算しなさい」

とおっしゃっています。

どうか、アスペルガーの子供たちに必要なのは良き理解者であることを理解してください。

そして支えてあげてほしいと思います。

アスペルガー症候群の理解者って本当に少ない世界でいきているため、教えてくれる人が少ないのです。

 

思春期のアスペルガーは友達づきあいも苦手で、思ったことをすぐに口に出してしまうため、深刻な問題に発展する場合があります。

いじめにあったり、一人を好むようになったりして、不登校やひきこもりに苦しむケースがあります。

その反動が、家族に向けられ家庭内暴力などに発展するケースも少なくありません。

「お前、気持ち悪いからもう学校に来るな~」と軽く友達にからかわれたことが・・・・

普通の子供なら「うるせ~どこが気持ちわるいんだよ~」と言えても

アスペルガー症候群は、そのまま言葉を受け止めてしまう傾向にあります。

「お前、くせえ~」と言われた女の子が、大人になっても体臭が気になる人もいます。

そんな、軽い言葉でも真に受けてしまい、そのまま不登校になってしまったり、引きこもりになるケースが多いのです。

「そんなの気にしちゃだめ」と教えても意味はありません。そんなことができれば苦労なんてしません。

大事なのは、一緒に考えて遠回りしてでもひとつひとつ解決していくことが大事なのではないでしょうか?

 

また、学習面でも不登校になるケースがあります。

苦手な科目は、頑張っても点数が取れないことがあります。根本的に苦手な教科は集中できないため更に点数が悪くなり、進学するに連れ点数が取れなくなっていきます。

その為に、ただでも変わった解答をしがちなアスペルガーは、授業中に笑い者にされることもあります。

そのうち「私は勉強ができないんだ・・・」と学校に行きたくなるケースがあるのです。

私の場合は、数学はいつも高得点なのに対して、英語や社会など興味がない勉強に関してはまるっきりでした。

私の父も理系だったので、「数学ができればいい」という考えの父だったので、とても気持ちが楽でした。

アスペルガーは、オールマイティな天才にはなれません。それを知っておきましょう。

ただ、好きなこと、興味のあることは、何時間でも苦痛にならず勉強だってできるのことを知りましょう。

大丈夫、得意な科目があればその科目を頑張っていれば、その他の勉強もそれなりに勉強できるように習慣づきます

是非、子供に「勉強しなさい」と追い込んだりしないで、好きな科目から頑張って、苦手な科目は後回しにして

もっと気持ちを楽にしてあげて欲しいと思います。

私の兄の様に、うつ病になってしまったのでは、いくら勉強ができても意味がないですからね。

兄の自殺

2015.07.24

 

どうしても、アスペルガーの知識が増えてくると、問題点を少しでも解決することに執着しがちですが

しかし、長所もたくさんありますので、その長所を殺さないように伸ばしてあげたいと思います

勢いがあることは悪いことではなりません。

時には場違いな発言も、社会に出れば大チャンスのカギになることも多いのです。

その長所まで、抑えられてしまうと、生きる方法を見失う可能性もあります。

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アスペルガーにとって必要なのは理解者の作り方ではないでしょうか?

どうしたら、理解者が増えるのか?

落ち着いて話す訓練が大切だと思います。

もし、自分の子供が「発達障害かも」と感じたら、発達障害の専門医に相談してみましょう

自分たちだけで解決しようとしても、とても難しいです。

そして、病院に行くのは早ければ早いほどいいです。

 

我が家も、今では学校の担任や教頭先生も力を貸してくれます。

ただの「面倒な悪ガキ」 から 「時々は手がかかるが良く頑張っている」 と言われるようになりました。

早い段階であれば、学校の先生などにも、きちんと対応をお願いできます。

ちなみに、病院の先生と学校への対応は、学校からは質問・対応方法等を手紙で、病院の先生は妻がパイプ役となって話をしています。

息子には、たくさんの理解者が増えていることは喜ばしいことだと感じています。

これから、思春期のアスペルガーについても、記事をアップしていきたいと思いますので、ご意見等よろしくお願いいたします。


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