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「パンドラの箱」の話しはご存じだろうか? 「絶対に開けてはいけない」と言われて神様から贈られた箱を開けてしまう話です。
「パンドラの箱」を開けたとたんに災いが飛び出し、慌てて閉じたら「希望」だけが残ったというギリシャ神話です。
まさに、アスペルガー症候群の当事者にとっても、パートナーにとっても「アスペルガー」というパンドラの箱を開けることが、どれほどの災いを呼び起こすのかは想像がつきません。
「パンドラの箱」を開けなければ、今の生活は維持できますが・・・・・
「パンドラの箱」の様に一度開けることによって「希望」が残るかもしれません。
「パンドラの箱」は決して災いを呼ぶ箱ではないと私は思います。
「パンドラの箱」= アスペルガー症候群の告知 とは思いません。
「パンドラの箱」=自分の特性を知ることだと思います。
私がパンドラの箱を開けた瞬間
私の場合は、息子の発達障害がきっかけでした。息子が発達障害かもしれないという話を何年もまともに聞かず、妻が怪しげな宗教にでも入ったのかと思ったくらいです。
そんな、人の話もまともに聞くこともせず、毎日のように不機嫌な態度に飽き飽きした妻が離婚を決断したところから始まりました。
私は、ただただ大好きな子供たちと離れ離れになるのが嫌で、なんとかしようと思ったとき・・・・
子供の発達障害について調べていると・・・息子以上に私の子供のころからの人生にぴったりで、「あっ!俺って発達障害だったんだ~」ということに気が付きました。
それから、多くの本を読みまくりました。
興味を持つとアスペルガーは、メチャメチャのめり込む特性を持っています。
ADHD、アスペルガー症候群、発達障害とつく本という本は買っています。
パンドラの箱の災い
私にとって、パンドラの箱を開けたことによってすっきりした半面、何がどうおかしいのかわからないことだらけでした。
「普通」という意味も分からないし、誰もができるような考え方が自分にはできないということに気が付きました。
時には、絶望感に押しつぶされそうにもなりました。
「我慢・・・我慢・・・・」の毎日でした。
そして、その我慢がまた新たなストレスとなり、大爆発することもしばしばありました。
アスペルガーは、どうしても自分の知識や考え方を重視する行動が多いので、我慢するということはかなりの苦痛なのです。
よくあるのが、「俺はこんなに頑張っているのに・・・」「俺にこれ以上どうしろと言うんだ」とキレることが多々あるでしょう。
だって、我慢ばかりのそんな生き方できるわけないじゃないですか?
我慢している時点で間違えているんですよね。
最後に残った「希望」
最初は、私も自分を全否定して息苦しい生き方をしていましたが・・・・
あるときから、アスペルガーにも得意な部分が多々あることに気が付きました。
そもそも、今まで学生時代も会社でも困ったことなかったし、評価をもらったことだって多々ある。
好きなことは全然苦にならず、ひたすら向き合うことができたり、ひとつのことを深く掘り下げて学ぶ根気良さもある。
先頭をきって、周りを引っ張っていく勢いや自信を持っている。などなどの特技を活かすことで自分が楽になってきます。
もともと、子供たちにはとても優しくできていたし、同じように接することで妻との関係が大きく変わっていきました。
「克服しないといけない」と思えば思うほど茨の道を歩むことになってしまうわけだ。
結局は、苦手なところを苦手だと理解することで、ある程度抑制はできるし失敗しても反省もできる。
それよりも、自分が得意なことを伸ばし、短所を補いカバーすることで、かなりストレスは軽減できるのだ。
そのことによって、自分の中にもゆとりができ、まわりに対してもゆとりある対応ができるようになっていきました。
「普通」をめざしてはいけない
「普通」を目指さない。「普通」を要求しない。
アスペルガーとの生活において、普通なんて言葉は存在しません。
独特な発想や考え方で生きている相手に、「普通」を求めても「普通」という定義が違いすぎます。
「人と違うということ」を受け入れることで、当事者にとってもパートナーにとっても、ずっと楽になります。
例えば、普通の人なら何か起きた時、じっくりと話し合って結論を出したいかもしれません。
だけれど、じっくり話し合うなんてことアスペルガーには無理なんです。
アスペルガーにとっては、自分と同じ意見でないパートナーはおかしな人でしかないのですから
じっくり話し合うよりポイントを端的に話をして、お互い少し距離を置いて考えてから、その後端的に話をした方が、お互いにストレスにならないことも多いだろう。
アスペルガー症候群だっていいんです
アスペルガー症候群だっていいんです。
そもそも、積極的で行動力があって男らしいなんてことを思って結婚した人も多いのではないですか?
アスペルガーの人が、すべての人から嫌われているわけではありません。
社会では、それなりに感情もコントロールするし、家族にだけ不機嫌な態度を取ったりする人も少なくありません。
家でも、社会で学んだコミュニケーション能力を少し発揮すればいいだけなのですが・・・・
ついつい、家庭だと素が出てしまったりするんですよね。
家族は、自分の良き理解者と位置付けているため、理解されない時の苛立ちは一番激しくなるのかもしれません。
アスペルガーだからって自分を卑下する必要はありません。
ただ、相手のことを少し考えるだけで大きく変わりますよ。
パンドラの箱は開けてみないとわからない
結局は、アスペルガー症候群との生活は、当事者の自覚が一番のキーポイントです。
発達障害の専門の病院でも、本人が変わろうという意思がない患者は受付すらしてくれないところも多いのです。
発達障害は拘りの強さの障害です。暴力的になるのがアスペルガー症候群と思っている人も多いようですが、それは違います。
コミュニケーション能力が低いがゆえに、暴力的になったり無視したりするのです。
パンドラの箱を開けて、相手のことを責めたくるのであれば、パンドラの箱には「希望」が残ることはないでしょう。
しかし、相手の長所を伸ばすために「パンドラの箱」を開けたならば、「希望」は残るのではないでしょうか?
お互いに完全な生き方なんてありえないのです。
「パンドラの箱」はゆっくりゆっくり開いて、大事に「希望」まで、あふれ出ない様にすることが大切なのではないでしょうか?
アスペルガーとの生活は絶対に無理?
「もう、無理」という方も大勢います。
「パンドラの箱」を開けるなんてとんでもない。そんなことしたらどうなるか・・・・・
その気持ち、よくわかります。きっと私も息子のことや離婚という危機がなければ聞き入れることは無かったでしょう。
パートナーとして残りの人生もアスペルガーと我慢して一緒にいるという人もいるでしょう。
着々と、離婚の準備に入っている人もいるでしょう。
アスペルガー当事者にとっては、パートナーは一番の理解者だと思い込んでいるのです。
なのに、自分と違う意見を言われると責められているように感じ、攻撃的になったりします。
完璧でなくても少し理解してくれるだけで、アスペルガーにとっては心地良いものです。
長所を育て、短所をカバーできるように向けて行くのが一番だと思います。
イライラを感じたら、お互いに距離を取ったり、話し合いを一時中断したりと、それぞれのやり方があると思います。
その為にも、一度はパンドラの箱を開けてみないといけないと思います。
アスペルガーと診断するのが目的ではない。
多いのが、「アスペルガー」と診断されるが目的になってしまうとうまくいかないでしょう。
問題は、特性ひとつひとつであり、「アスペルガー」と診断されても、アスペルガーの薬もありません。
私が飲んでいるのは、イライラを抑えるための精神安定剤です。
似たような特性を持ったADHDの人には、コンサータやストラテラと言った薬があります。
アスペルガーは治らない、だけど生活習慣は変えていくことができます。
旅行の度に、思い込みで道を間違えてもいいじゃないですか~
だけれど、イライラして車の運転が荒くなったりするのは困ります。
予定通りに事を進めようとしたっていいじゃないですか~
だけれど、予定がズレたことに不機嫌になってもらっては困ります。
思い込みや予定通りに事を進めようと拘ってしまうのは仕方がないことです。
ただ、それが原因で不機嫌な態度をとったりしないことです。
アスペルガーと共に生きる
パートナーも「ほら、こっちの道って言ったじゃない」とか余計なことを言わないことです。
「道間違えたっていいじゃない、こういう景色好きよ~」なんて言われるとイライラも軽減されるのではないでしょうか?
アスペルガーは自分の失敗を指摘されたりすると、すぐに責められていると攻撃態勢に入ってしまうので、ゆっくりゆっくり話してできるだけどうでもいい指摘はしないことです。
当事者においては、拘ってしまうのは仕方ないとしても、予定がズレてしまったときの対処方法をはじめから決めておくことが大事だと思います。
旅行で予定が押していたら、あえて甘いものでも食べに立ち寄って、思いっきり予定を組み直すくらいのゆとりを持つことが大切でしょう。
そもそも、旅行では見つけたお店や観光スポットに立ち寄る時間もたっぷり残して計画することが大切です。
頑張って、あっちもこっちも多くのスポットを見たり、遠くに行くことよりも、ゆっくり美味しいものを食べながら、綺麗な場所ではいっぱい写真を撮って家族の笑顔を見るのが旅行です。
ナビは遠回りはしても目的地に連れて行ってくれるのです。渋滞は、のんびり走っていればいつか抜けます。
何も、すべてを我慢することはありません。自分の弱点をどうカバーするのか、そこがポイントだと思います。
アスペルガーと診断されたところで何も変わりませんが、ひとつひとつの行動を変えて行くことは可能です。
その時も「話し合いをちゃんとして」と言われても難しい注文ですが・・・・
「私が話をしている時は最後まで聞いてから話して」というルール決めからゆっくゆっくり関係を築くことだと思います。
あれも、これもと要求しても逃げられるだけです。
なかなか、最後まで話を聞くのですらかなり困難なのですが、ひとつひとつだと思います。
大事なのは、やっはり当事者の自覚が無くして進歩はないと思います。
「パンドラの箱」思い切って開けてみませんか?
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