アスペルガーと診断されても悪いことばかりではない。 ~恵まれた生活環境と感謝~

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先日は、出張中に妻から泣いて電話がありました。

話を聞くと、息子が今度、中学生に進学するとともにバスケット部に所属したいと言っているので、今習っている空手をやめることにしたのです。

そのことを、館長に話をすると、館長はガッカリして「一度やめた子が戻ってくる子もいるが、どうしてもついていけず結局やめてしまう子が多い」という話をされたそうです。

空手は、発達障害の息子にとっても、礼儀作法から始まり、実践空手なので痛みなども知ることができた以上に、館長をはじめとする仲間に恵まれてとてもいい環境でした。

その点、中学校の部活は、上下関係も厳しく チームプレーを必要とし レギュラー争いなど、発達障害の息子が耐えられるか心配な部分も多いので、妻は「空手をさせた方がいいのでは?」と悩んでいたようでした。

どうしても、アスペルガーは自分にとって理不尽なことが起きるといろいろな問題行動をとることがありますからね~

その気持ちは、電話越しでも十分わかりました。

館長も寂しそうにしていたらしいですし、妻にとっては息子がのびのびと空手をやっている姿が大好きでしたからね~

先週の大会では、優勝もしたし、紫帯まで昇給もしたし、カッコよかったですからね~

 

息子は、小学校2年生で、ADHDとアスペルガーと診断されました。

今までには、先生に反抗したり、言うことを聞かなかったり、トラブルが起きるとカンシャクを起こしたりフリーズし、様々な問題を抱えていました。

診断されてからは、担任の先生と教頭先生と連携して、カンシャクやフリーズを起こした時は、別室でクールダウンをする時間を設けてもらったり、何かあるたびに連絡をくれていました。

悪いことだけでなく、何か良いことがあっても連絡してきてくれるのです。

携帯電話で長電話して、1万円を超えたことだってありました。

学年が変わって担任が変わっても、歴代の担任の先生が情報を共有し、皆さんで息子を育ててくれました。

あるときは、病院の先生にアドバイスを求める手紙を託したりしてまで、めんどくさい息子と正面から向かい合ってくださいました。

最近は、学校の先生の質を問われることが多い時代ですが、私たちからすれば、最高の先生たちでした。

 

そんな学校生活と、空手の館長や仲間たちは、いつも楽しく時には厳しく接していただき、息子も3年間続けることができました。

 

私も、今の環境はとてもいい環境だと思っているのですが、安定した環境だけで生きていくことは息子のためにもならないし、何より息子が「やりたい」という気持ちを尊重することが大切だと思い、妻には「今度は新しい環境でバスケットをさせてあげよう」と話をしました。

チームプレーや上下関係に、息子は馴染めないかもしれませんが、きっと体験することは大切だろうと思っています。

ついていけず辞めたくなったら、それはそれでいい経験だろうし、もしチームになじむことができれば、それはそれで大きな財産となるはずですからね。

小学校では6年生からバスケットを始めたので、先輩からいろいろ言われることもなくバスケットを楽しめたのですが・・・・

中学校では、球拾いからジョギングだけの練習なんてのもあるでしょうしね~

息子が、思い浮かべている環境とはちょっと違うかもしれませんけれどね~

妻とも、出張先から電話でしたが、空手の先生には、きちんとお礼の手紙と今までの気持ちを伝えて、もしバスケット部でうまくいかなかったときは、復帰できるように籍は置いてもらえるように話をすることにしました。

妻も、息子の特性を考えると、あまりにもいい環境だっただけに悩んでいたようでしたが、「今度はバスケットをさせてあげよう」ということで話しが決着しました。

アスペルガーと診断されたことで、悪いイメージを持つ人も多いとは思いますが・・・

私を含め、発達障害と診断されたから、人一倍 人の気持ちや人に感謝する気持ちが強くなりました。

私が、妻や子供たちに感謝する気持ちや、息子を見守ってくれた先生方、私たちの特性を否定するのでなく肯定してアドバイスをくれる病院の先生、そして空手を通して心の成長をさせてくれた館長や仲間たち、みんなに感謝することを学びました。

 

これから、息子も中学生です。

妻が、病院の先生に「息子も落ち着いてきたので中学校に入ったら学校には発達障害のことは隠そうかと思う」と話したところ・・・・

「それは、早すぎる」と言われました。

もし、問題が起きてからでは手遅れになってしまうので、前もって伝えておくことが大切だし、クールダウンできる場所は用意してもらっておく必要があると指導されました。

私たち夫婦も、中学校でどんな生活が待っているのかわからないところもありますけれど、また新しい出会いを期待していきたいと思っています。

私も息子も、発達障害でなければこんなに周りに感謝することもなかったでしょうし、決して悪いことばかりではないなぁ~と感じています。

そして、私たちが発達障害でなければ、過去の地獄のような生活から今の幸せな生活を知らなければ、妻も臨床心理士になって、他の人の力になろうなんて考えなかったでしょうしね~

そう思える今は、とても幸せだと感じています。


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