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先日妻が、「私は、自分の力で生きていく力が欲しかったけれど、今はあなたの給料でやりくりしている方が楽だと思えてきた」と言っていました。
妻は、10年間私との生活を苦痛に思い、自分の自尊心を傷つけられ、自分の価値を見失っていました。
私は、「俺が養ってやっている!」という態度を盾に、妻の言うことなど聞きもしてこなかった10年間の結婚生活のなか、妻自身苦しみもがいて自分の力で生きていきたいと思っていたのでしょう。
そして、私が発達障害を自覚してもうすぐ4年になります。
妻は、今、臨床心理士を目指して勉強をしています。
自分のやりたいことができること、忙しい中でも家事を充実させていることに自信をもってきたのだと思います。
結婚して10年間は、私の奴隷のような生活だったのかもしれません。
自分のやりたいことも見つからず、家事も私から小言を言われ、自分自身が何をしているのかわからない状態が当たり前だった10年間だったと思います。
離婚騒動から、発達障害について自覚し、病院に行き始めたところから始まり、もうすぐ4年間・・・・
「あなたが好き」とは言ってはくれませんが・・・・
一緒に生活していくパートナーとしては、認めてくれたようです。
結婚生活において、相手に人生を任せきれない不安は、男性である私には想像もつかないほど不安だったでしょう。
それが、やっと安心して自分の人生を楽しめるようになってきたわけです。
結婚して10年間は、私は私で「こいつに何言っても同じで言うだけ無駄!」と思っていたし、妻は妻で「この人に何を言っても否定される」とお互いが思っていた10年間でした。
今は、家事についても、子育てにしても妻に任せておいて大丈夫。妻も私に「相談したら、とりあえずは尊重してくれる」という信頼関係が今の生活を作っています。
私だって未だに「え~なんで~」と否定的な考えを持つことだって多々あります。
そりゃそうでしょう~夫婦と言えど他人なんですから、考え方も価値観だって違います。
でも、その価値観の違いを尊重し合って、初めて夫婦のコミュニケーションがとれるのではないでしょうか?
その価値観に、勝ち負けやどちらを尊重するか?ではなく、お互いの価値観を尊重したうえで物事を決めていくことが大切だと思います。
よく、「アスペルガーだから」「普通の人だったら・・・」などという話もよく聞きますが・・・・
アスペルガーだから自分の価値観に拘るし、パートナーだってもちろんパートナーの価値観が存在するわけで、その価値観に間違い正解もないし、勝ち負けなんてないということが双方で認め合うことができれば、大抵の問題は解決するのではないでしょうか?
「ディズニーランドに行きたい」と言われたときも
私の価値観は、「遠いし、お金もいっぱいかかって人も多い」という価値観でした。
「だったら、俺はいいからお前たちだけで行ってくれば~」という選択から始まり、「家族みんなで行ってみよう」という妻の価値観に合わせた結果、とても楽しい思い出に残る旅行となりました。
それまでは、人の多い並んで乗り物に乗らないといけない、そんな面倒な場所で楽しめる自身もなかったし、間違いなく息子もカンシャクを起こしたりと最悪な結末を想像していました。
実際には、息子も少しはカンシャクなど起こしたりはしたものの、結果とても楽しい旅になりました。
妻が、「臨床心理士になるために大学院に行きたい」と言い出した時も、「こいつ、何考えているんだ? 学費だっていくらかかるんだ? 臨床心理士じゃ儲かりもしないのに~」という私の価値観と、「自分の経験を活かして、発達障害をもつ親の力になってみたい」という妻の価値観を尊重することで、妻も楽しい人生を歩めているようです。
「来年はとある学会に参加するため横浜に行きたい」と言い出し、「え~研究者じゃあるまいし学会なんか行かなくてもいいだろう~」という私の価値観と「有名な学会を一度は参加してみたい」という妻の価値観・・・・
そういった価値観の違いも、やってみないとわからないということで尊重することにより、お互いが新しい人生を歩めるようになってきました。
確かに、大変なことも沢山ありますが、それ以上にお互いが充実した人生を歩むことができるようになってきました。
妻の価値観のために、私も協力する。私の価値観のために、妻も協力してくれる。
ディズニーランドでは、乗り物や並ぶのが苦手な私は、まだ3歳の甥っ子とパレードを見たり、人の少ない場所を探して時間をつぶしたり、チケットを取りに行ったりとしながら、カンシャクを起こした息子とホテルに帰ってみたりと、私なりに自由にさせてもらったりしていました。
妻の勉強では、帰りが遅い日は息子たちも手伝ってくれたり、朝の洗濯物干しは家族で補ったりし、その分、妻も勉強や家事を一生懸命にしています。
「子供たちに、勉強をさせたい、そして良い大学出て、良い会社に就職してもらいたい」という私の価値観と
「自分たちがやる気にならないと仕方がない。とりあえず学校の勉強だけはちゃんとして楽しく学校に行ってくれればそれでいい」という妻の価値観にもズレがあります。
しかし、子供たちも自分たちで宿題だけはちゃんとやっていますし、口出ししないようにしています。
妻を信用すること、子供たちを信用すること・・・・そういった価値観の尊重は、家族の信頼関係に結び付いている気がします。
『価値観の共有』と言ってしまうと、価値観が一致していないといけないので衝突も起きやすいですが、『価値観の尊重』は相手を認めることで自分の価値観を落とすものでもありません。
価値観の尊重は、新しい発見にも結び付いていきます。
新しい発見は、新しい価値観を生み、お互いが豊かな価値観の持ち主へと成長させていってくれます。
当事者みなさんも、パートナーの皆さんも『価値観の尊重』を心がけてみませんか?
アスペルガーという生き物は、なかなか価値観を変えようとしないし、未体験なことをしようとしない人もいます。
かと思うと、突拍子もないことをしようとしたりする人も多くいます。
価値観というのは、お互いがお互いに持っているもので、価値観が違うのは当然のことです。
その価値観を尊重し合えことができれば、そこには信頼関係ができていくのではないでしようか?
アスペルガーが、自分の価値観に執着してしまうのも、半分は病気のせいかもしれませんが、半分は相手の価値観を尊重しないために、新しい価値観を得ることが少ないからではないでしょうか?
いつも、押しの強いアスペルガーの価値観だけを優先してしまう夫婦も多いでしょう。
だけれど、時には強引にでも自分の価値観を通してみてもいいのではないでしょうか?
その価値観が成功した暁には、「ほら、言ったとおりでしょう」ではなく「実現させてくれてありがとう」と『価値観の共有』をしながらお互いが成長していけばいい気がします。
是非、当事者の方は、「絶対にできない」「絶対に失敗する」「俺は絶対にしない」なんて思わないでまずパートナーの価値観を尊重してみませんか?
失敗したっていいじゃないですか~
その時、当事者の言うことが正しかったということを証明するだけです。
でも、大抵のことは新しい価値観を生むことになるでしょう。
せっかく夫婦となったのです。
子供たちに対しても同じです。
もっともっと、相手の人生の可能性を伸ばしてあげることが、自分自身の価値観や満足感を高めていくことになるのではないでしょうか?
家族の可能性を活かしてあげられるのは、あなたしかいないのかもしれませんよ。
もっともっと、家族を信じて、事前に失敗を予測するのではなく、失敗したときに助けてあげられる力を身に着けるくらいの気持ちが大切なのではないでしょうか?
そして、もっともっと家族に人生という冒険を体験させてあげませんか?
それができるのが、アスペルガーの底力ってものではないでしょうか?
失敗を事前に防ぐということと、失敗を恐れてやらないのは大きな違いです。
とは言っても、独りよがりは何も生みだしません。
相手の価値観や考え方や気持ちを尊重してこそのことです。
まずは、新しい冒険をお互いに実現に向けて尊重しながら話してみませんか?
この、実現に向けての尊重こそが、家族の信頼の基本だと思います。
パートナーの方も、「どうせ言っても否定されるだけ」と思わず、まず実行に向けての話し合いを心がけてみてはいかがでしょうか?
諦めが先走り、なんでもすぐ諦めてしまうようになっていませんか?
それでは、いつまでたってもアスペルガーの価値観にとらわれるばかりです。
時間がかかっても「どうしたら、実行できるか」をとことん話し合ってみませんか?
「もういい! 勝手にしろ!」と言われるかもしれません。
アスペルガーは、自分の考えが整理がつかなくなったり、考えが通じなくなった時は、投げやりになる人が多いのです。
だけれど、それは認めたと思ってもいいのではないでしょうか?
完全に納得する相手ではないのですから、まずはご自分たちの人生を尊重することで、当事者の意識もだんだん変わってくるのだと思います。
確かに、失敗したときに何を言われるかわかりません。
「ほら、みたことか~俺の言った通りになったじゃないか~」
なんて言われるかもしれません。
でも、よく考えてみてください。行動する前に同じようなことを言われていたのと、行動してみて言われるのでは意味が違うのではないでしょうか?
自分で行動して失敗したなら諦めもつきますが・・・・アスペルガーの価値観の中でだけ行動するのでは大きく人生が変わりますよ。
だけとれど、そんな失敗を恐れていても新しいことは始められませんからね~
それだけ、慎重に考えての行動です。そうそう悪い結果ばかりではないと思いますよ。
アスペルガーは、自分自身の人生もあまり設計が上手ではありません。
ましてや、パートナーなどの人生設計なんてできるはずもありません。
一緒に、人生を歩むためにも、今からでもご自分の価値観を大切にすることは大切だと思います。
そのうえで、対アスペルガーとの価値観の尊重と共有を育てていくことが大切だと思います。
そうして、信頼関係を築く必要があるのではないでしょうか?
ハードルは高いかもしれませんが、そのハードルを越えていくことがお互いのためになると考えます。
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