サイトアイコン 夫婦奮闘記 アスペルガー&ADHD

アスペルガーの声はいつも怒っているように聞こえる?


 本当に寒くなってきましたね? 先日こんなことがありました。
寒くても、毎週自転車でサイクリングを楽しんでいる私は、あまりの寒さのため家に到着する30分前に娘に電話してお風呂を溜めてもらうことにしました。

 そして、キンキンに芯から冷えてしまった体で家に到着して、お風呂に入ろうとした時に、お風呂場の方からゴシゴシとスポンジで洗う音がしたのに驚いて、「えっお風呂沸いてないの?」と見にいくと洗面場を洗う音だったのでホッとして「なんだ、違うんだ」と普通に驚いただけなのに・・・・妻からは、「なんで確認もしないで怒るの?」と怒るので「別に怒っていないだろう」というと「怒ってるじゃない」としつこく言うその態度に怒ってしまいました。

 だって、普通に驚いただけなのに、怒っていると言われのないことで怒られるのですよ。
だいたい、最近では私が怒っている回数より、遥かに妻が怒っていることの方が多いのに、なんで私が「怒った!」って怒られないといけないんですよ。

 でも、アスペルガーの人がいつも怒っているように見えたり、余裕がないように見えることはよくあることで、私もそれはよくわかっています。

どうして怒っているように聞こえる?

 一般的にアスペルガーの人は、小さい時からカンシャクを起こすのが特性のひとつです。
アスペルガーの人は感情のコントロールが苦手で、大人になっても声が大きくなってしまうことはよくあることです。仕事に夢中になっていると、私の空気に呑み込まれてまわりはその空気に耐えられず息苦しい空間にしてしまうこともよくあります。

 決して声が大きくなるのは、感情がコントロールができなくなるのは、余裕がない時だけではないんです。怒ったり怒りが込み上げた時と、同じように楽しい時間を過ごしている時も同じように声が大きくなり、まわりから見ると信じられないくらいのハイテンションになることはよくあります。

 感情がコントロールができないのは、喜怒哀楽すべての感情が激しい私たちアスペルガーにとっては、まわりの人から見れば、信じられないくらいのテンションになり常に声が大きなったり、予期しない行動をとったりするのです。

 仕事でも遊びでも、自分の世界に入り込んでしまい、まわりが見えなくなることはよくあります。
決して、それが問題なわけではないとは思います。全力で仕事や遊びに夢中になれることは、私たちの武器でもあります。

 そんな、私と生活をしていれば当然今回のようなことは日常茶飯事で、私が普通に話していても今までが今までなので勘違いされることも沢山あるんです。

悪循環

 いろいろな場面で、感情を表に出してしまう私たちは、普通に話をしていてもなかなか伝わらないことも多いのです。当然、そんな反応がストレスにならないわけもありません。
 楽しい時でも、周りからもひかれるテンションでういてしまうことも多いので、まわりとうまく振りまうこともできなくなるのです。そんなことがずっと続いていると、周りに伝わらない感情や行動に更にストレスを感じるため、また予想もつかない行動をとってしまったりするのです。
 そうなると、周りの目はまた偏見の目となり、更に理解されない感情にストレスを抱えると言う悪循環を繰り返しています。

 私たちは、そんな悪循環を繰り返しながら生きています。確かに怒りを抑えきれないこともありますが、楽しくしているだけなのに理解もされず、普通の感情の時ですら怒っていると思われたりするのです。

見分けがつかないから仕方がないのか?

 確かに、まわりの人から普通な状態なのか、感情のコントロールができずにスイッチが入ったのか区別をすることは難しいのは確かです。
「では、どうしたらいいの?」と言いたくなるのは当然の意見です。

 だけれど、そういう普通の状態でもテンションの強弱が苦手で、楽しい時でも感情がコントロールできないことを知っていてもらえるだけで救われることも沢山あるんです。
私たち、アスペルガーの人たちには、そういう少しだけでも知ってもらえているということだけで、今までの人生と大きく違ってくるんです。

 妻が臨床心理士になったところで、私の気持ちなんて理解できるものではありません。
それなのに、普通の方が理解できないのは当然のことなんです。だから、理解できないことを悔やむ必要も、必死にならなくても、卑下する必要もないのです。

 ただ、少しアスペルガーという特性を知ってもらい、感情のコントロールが苦手で、不器用な生き方しかできず、言葉で伝えることも苦手だけれど、それでもみなさんと変わらないくらい優しい気持ちも持っているし、自分なりに改善もしているんです。ただ、自分の価値観や考え方に固執しがちなため、みなさんのようにすぐには変われるはずもありません。少し知ってもらえるだけで全然違う成長を遂げていけるんです。

 そういう、少しでも知っていただける人がいると、私たちにも余裕ができてきますしね。多くのことを学んび、経験をつんでいけるようになるのです。
 アスペルガーのほとんどの方が、理解してもらえない人生を歩んできているので、ひねくれたような考え方を持ったりする人も少なくないのです。素直になれなかったり、気持ちを正確に伝えることができなかったり、言葉を間違えたり、行動を間違えたり、そんな不器用な生き方をする人が多いのです。

 そんな私たちにとっては、普通の人より少しでいいのです。少しだけ知ってもらえるだけですごく生きやすいのです。勘違いしていただきたくないのは、理解なんてしてもらわなくていいのです。知ってもらうことが大事なんです。アスペルガーのことを知っているだけで行動も言葉も変わってきます。当然知ることでご自分の気持ちだって変わることも多いと思いますよ。
知って更に腹立たしく思うことも増えるかもしれませんが、それが普通の感情だと思いますよ。

 みなさんだって、私たちアスペルガーの私たちだって、みんな少しずつお互いのことを知っていきながら、いろいろなことを考えていくのだと思います。今までは一般的な生き方を基準に考えていたかもしれません。これからは考え方を自分たちのペースに合った生き方をお互いに選択していくことが大切なのだと私は思います。

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