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アスペルガー症候群の悩み ~いつまで我慢すればいいの?~

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随分と当事者からのメールも増えて、このブログも随分と役目をはたしてきたんだと感じる日々です。

パートナーの方からの悩みが、ピックアップされていることは多いのですが、当事者の悩みがピックアップされることは少ないのが現実です。

そもそも、当事者は、まわりとのズレに気が付かないまま、無意識のうちに強引に生きている人も少なくありません。

悩みなんて考えたことなかった人がほとんどではないでしょうか?

しかし、家族間や社会でのトラブルに巻き込まれたとき、状況をうまく理解できなくなった時、自分が発達障害と気が付く人も少なくありません。

でも逆に言えば、気が付かせるためにはトラブった方が当事者のためになるのかもしれない。

ともかく、自分の特性に気が付いてしまったのはいいけれど・・・・

いったいどうしたらいいのか、その悩みは当事者にとって一番難しい悩みともいえます。

今までの生き方と全然違うわけですから・・・・・

私自身は困ったことはない。

そもそも、私がアスペルガー症候群で困ることとはどういうことか?

  1. 人と意思疎通をする時、正確に意思疎通ができない。
  2. 自分の考えが強すぎて、なかなか相手の意見を聞き入れられない。
  3. ちょっとした指摘にイライラする。
  4. 人混みに行くのが苦痛

だけれど、意思疎通が性格に出来なくてもできる範囲で今まで生きてきたし、自分の考えが強すぎるのは会社では成功に導いた実績も多い。

イライラして不機嫌になったところで、自分自身ではそんなに困ることはないのだ。

ちょっと傲慢な人と言われるだけのことで、プライベートも社会的にも順調で困ることはなかった。

「だったら、仕事もとろくて、会議でも自分の思いもしゃべらない、人のご機嫌ばかりうかがっている人が良い人なのか?」

なんて、極端なことを考えたりもします。

きっと、当事者の人のほとんどの人が自分自身では困っていると自覚している人は少ないと思います。

困ったときは、無意識なうちに、今まで身に着けた強引な言動でその場をやり抜けてきたことでしょう。

普通の人が尻込みするようなことも、勢いだけでやり遂げてきた人も少なくないでしょう。

そんな私たちが、「あなたはおかしい」と言われるのです。

今まで、何十年と生きてきた生き方を否定されても、理解できるはずもありません。

 

 

成功の裏の犠牲者たち

私の場合は、ただ一点だけ・・・・

家族間において、私の傲慢な生き方に家族としてはやっていけなかったというトラブルが10年が過ぎて出てきました。

その時に、初めて自分のことを知りました。

まあ、思い起こせば思い当たることは多々ある。人を踏み台に伸し上がることに関して別に悪いことをしている感覚はなかったし、批判される覚えもなかった。

そもそも、人はできる人とできない人といてあたりまえなのだから、できない人に合わせる必要性を考えたりしなかった。

まあ、会社ではそんなに困ることはなかったけれど・・・・

それが、家庭内でも同じで、正直・・・要領の悪い妻に対して「何もできない人」というレッテルを貼って生活を続けていました。

そこには、それぞれの人生や考え方があるなんてことは考える余地もありませんでした。

そんななか、意を決して離婚に踏み切ろうとした妻の気持ちなんて考えたことはなかった。

きっと、会社でも踏み台にされた人たちは多かったことでしょう。

 

人は簡単には変われない

「よし、今日から変わるぞ!!」って宣言したところで誰も信じられない。

事実、そんなに簡単に変われるものではない。

当事者のメールの悩みはここにある。

「俺は、こんなに気を付けているのにどうすればいいんだ~何も変わらないじゃないか~」

と叫びたくなる気持ちもよくわかる。

「俺は、こんなに我慢しているのに~少しは認めてくれてもいいじゃないか~」

おいおい・・・・我慢している時点で何も変わっていないのだよ。

どうしても、アスペルガー症候群の場合、イライラしたりザワザワする気持ちになるのは仕方がないことなのです。

それを我慢しようとしても、無理なんです。そうやって生きてきたのだから・・・・・

できるだけ、イライラしないように日ごろからゆっくりした生活を意識したり、人混みを避けたり、イライラした後に我慢するのでなくその前の対策を日ごろから気を付けることです。

アスペルガー症候群の我慢ほど後々タチの悪いものはありません。まず、我慢するなんて無理なんですから・・・・・

その不満が、知らず知らずのうちパートナーにも伝わっているのです。

それは、すごいプレッシャーであり威圧感をかもし出していることを覚えておきましょう。

 

関係修復には時間が必要

「これ以上・・・私は何をしたらいいのでしょう」と悩みも多いのですが・・・・

一度印象付けられた人物像と言うのは、そう簡単に変わるものではありません。

信頼を崩すのは簡単ですが、信頼を得るには時間が必要です。

「どうして、認めてくれないのか・・・・」

単純なことです。そう簡単に認められないからです。

それには、何年も何十年もかかるかもしれません。もしかしたら死ぬまでかもしれません。

だからこそ、無理な我慢は意味がないのです。

ゆっくり、できることから気を付けてひとつずつです。

我慢できなくなったら、一人旅にでも行って自分を見つめ直してみましょう。

「そういえば、最近、昔よりは少し良くなったね~」と言ってもらえれば十分ではないでしょうか?

パートナーの方も、たまには飴玉をあげてやってください。

関係修復は、頑張ってやるものではありません。

ゆっくりした話し方、ゆっくりした行動を身に着けてみてください。

ひとつひとつの行動に変化が表れますよ。

私も、苦い飲み物が苦手だったのですが、暖かい紅茶やお茶やコーヒーを飲むことで心を落ち着けることを習慣づけています。

 

第三者の強い味方をつくる

やはり、なかなか当事者とパートナーだけで、「発達障害」の特性を正確に理解し対応することはとても難しいことです。

「良かれ」と思っていることが逆効果で、お互いのストレスになりかねません。

長年思うところもあるパートナーに、当事者も変化に対する評価を求めてもなかなか実感もわかないでしょうし、悩みを相談できる関係になるまでには時間も必要でしょう。

その点、病院の先生は、幅広い知識と標準的な傾向などを駆使して対応方法をアドバイスしてくれます。

薬を使うこともあるでしょう。

私も、病院に行って何気ない会話の中からヒントを得ることも多々あります。

「最近、薬のせいか勢いがなく、仕事にストレスを感じるんですよね~」と自分ではマイナス部分を感じていたとすると・・・・

「そんなに、勢いだけで生きて行ったらきついでしょう~勢いだけがすべてではないですよ~」と言われたことがあります。

それを、妻に言われたら「お前に、そんなこと言われたくないよ~」と思うかもしれませんが・・・・

先生から言われると、「そうかなぁ~」と思ったりすることもあります。

病院は、気持ちのコントロールが苦手な私たちに、簡易的な目安をつけてくれる場所です。

「病院に行って、発達障害を治す」なんて大げさに考えずに、歯医者に虫歯でなくても時々検査に行ったり、歯石を取りに行くような感覚でいいのではないでしょうか?

私も、最近は2ヶ月に1回行くだけで、特に話し込むこともなく、日常の気分を話に行くことを義務付けている感じです。

その行動は、妻が安心する行動のひとつであることも確かです。

何より、自分自身が「発達障害」を意識するうえで、病院はとても重要なポイントであると思います。

 

当事者とパートナーの関わり方

パートナーの方から見たら、当事者がどんなに気を付けても結局は、コミュニケーションが苦手で話しも一方的で「普通」と違うなんて思うのでしょうが・・・

残念ながら、長年身についた生き方というのは、そう簡単に治るものではありません。そして、どんなに努力しても脳機能の違いによってどうしようもないことも多々あります。

『普通』を教えようなんて思っていませんか?

前にも書いたように、『普通』というのはそれぞれ違います。

『発達障害』と気が付いたから、すぐに変わるものでもないです。

当事者によっては「治る病気じゃないから」と開き直って酷くなる人もいます。

一緒にゆっくりと話をして、ゆっくり生きていくことで、変わっていくことができます。

お互いに慌てないことです。

今までの失敗は、急ぐがあまり起きているのです。

急に強引に別人になってみたところで、この複雑な世の中を複雑な脳を持ったアスペルガーに要領よく生きて行けるわけありませんしね。

慌てなくても、ゆっくりとした生活を手に入れるだけで大きく変わります。

まずは、ゆっくり話す癖をつけることが、当事者にとってもパートナーにとっても効果的なことだと思います。


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